迫る衆議院解散総選挙~共産党はどうなるのか?

(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 衆議院解散総選挙が迫っているとメディアは伝えている。今回の総選挙は、今後の政局の動きに大きな影響を与える可能性が高い。

 衆議院では、小選挙区制が導入されており、小党には不利である。ただ小選挙区だけでなく、比例代表選挙区も設けられており、小党も議席が取れる形にはなっている。民主党が設立され、勢いを増していた時には、共産党は存在感を薄めていた。小党に不利な小選挙区制を中心とした選挙制度だけに、共産党はジリ貧になるかと予想された。しかし、民主党政権の失敗もあり、非自民・反自民の票が共産党に流れ始め、最近、共産党は元気がいい。国政で、自民党が圧勝を続ける中で、自民党政治への「お目付け役」としての役割が期待されている。

 今回の衆議院選挙では、小池・若狭新党ができそうだ。これは新たな展開だ。最もダメージを受けるのは民進党だ。共産党にとってはプラス要因とマイナス要因の両方があり、ほぼ現状維持になるのではないかと思われる。昨年の東京都議選でも、民進党の5議席に対して、共産党は19議席を獲得している。共産党は17議席から19議席になったわけでほぼ横ばいという感じだ。自民党も小池・若狭新党も保守勢力だ。元祖自民党と新型自民党といっていいだろう。そもそも小池氏も若狭氏もちょっと前まで自民党に所属していた議員だ。自民党政治の方向と大きく異なる方向性を持っているわけではなく、小池氏が都知事選に立候補を決めながら、自民党が公認を与えなかったという「ボタンの掛け違い」的な問題から新たな展開に至っている。つまり、自民党と小池・若狭新党が国政での中心勢力となれば、政界は保守議員でいっぱいになる。その状態に対するお目付け役としての共産党の役割はさらに重要になりそうなのだ。

 現在、民進党と共産党とは選挙協力について議論をしている。民進党は共産党との選挙協力に対して積極派と消極派に分かれている。共産党は協力・連携を呼びかけているが、民進党の煮え切らない態度に不満がたまりつつある。小池・若狭新党が誕生するなら、野党連合の意味が薄れる可能性がある。民進・共産・社民・自由の野党連合が、非自民・反自民の唯一の選択肢ではなくなるのだ。共産党は、以前の独自路線に帰って、保守勢力に厳しい批判をしていくほうが、国民からの支持を得ると考える選択もある。煮え切らない民進党と一緒に活動するよりも、明確な反自民・反小池新党路線を打ち出していくという方向だ。

 現在は政党規模からして、民進党が中心となる野党連合が考えられているが、保守二大政党がベースになると、それに対抗するのは共産党を中心とした左派・リベラル勢力となるのではないか。共産党にとってみると新たな展開の可能性が訪れているのだ。

 私はいずれ、共産党が「ピリリと辛い」小党の安定したポジションを続けるのか、本気で保守政権に挑むのかの選択を迫られると思っている。後者は党名も変えて、民進党左派、社民党、自由党などと新たな左派・リベラル政党を形成する方向だ。その場合には現在の共産党が中核になるだろう。二大保守勢力と左派勢力の3つの勢力に収斂されるという予想だ。

 ちょっと前まで考えられなかったような展開の可能性が浮かび上がっている。共産党はこうした新たな可能性も視野に入れながら、この衆議院選挙を戦うことになる。議席を増やすのか、減らすのか。それによって共産党が今後の政界再編に主導権を得れるかが決まる。共産党にとっても重要な選挙となる。