迫る衆議院解散総選挙~社民党、自由党はどうなるのか?

(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

 安倍首相は9月28日衆議院解散の方向をほぼ固めたといわれる。ニューヨークから帰国したらすぐに解散の流れとなる。政界はすでにこのスケジュールを前提として動いており、よほどの突発事件でもない限りは総選挙は間近に迫っていることは間違いない。

 この総選挙は小党にも少なからずの影響を与える。衆議院小選挙区制は小党には不利な制度だ。1990年代に「政治改革」の名のもとに一気に作られたものだ。なぜこれが「政治改革」になるのか全くわからなかった。私は当時からこの制度には猛反対であった。最近は小選挙区制の導入が日本の政治を劣化させたという論調も強い。その中心にいたのは小沢一郎氏であった。それが今では不利な立場の小党である自由党の代表だ。皮肉な感じは否めない。

 政党要件を満たしている小党の中で、崖っぷちに立たされているのは社民党と自由党だ。今回の衆議院解散総選挙は、これらの政党の今後の展開に大きな影響を与える。

 まずは社民党。社民党は2016年の参議院選挙・比例代表で2%以上の得票率を獲得し、6年間は政党要件を満たす政党となった。その意味では今回の衆議院選の結果はすぐに政党要件に関わるものではない。ただ、大野党であった社会党から風前の灯ともいえる現在の社民党をみると、次の衆議院選挙の結果次第では、他の小党との合併や吸収合併なども現実的に考えたほうがいい状態となっている。

 所属国会議員はすでにわずか4名。衆議院は沖縄2区の照屋寛徳氏と比例九州の吉川元氏だ。参議院は2019年に改選の又市征治氏と2022年改選の福島瑞穂氏である。

 現在、衆議院で2議席を持っており、これは発言権にも大きな影響を与えている。特に社民党は徹底した平和主義の政党であり、沖縄の小選挙区で議席を勝ち得ていることは大きい。沖縄は、社民党の護憲・反米主義の象徴とも言える場所だ。ただ、社民党の党勢はずっと落ち込んでおり、次の選挙で勝利できる確証はない。照屋氏は過去2回の衆議院選挙である程度の差をつけて自民党の宮崎政久氏に勝利している。ただ宮崎氏も比例で当選しており、現職だ。徐々に年齢も問題となってくる。照屋氏が72歳であるのに対して、宮崎氏は52歳。党勢や北朝鮮問題なども考慮すると、次の衆議院選挙は接戦が予想される。この議席の行方は大きい。吉川元氏は大分2区の小選挙区では敗れながらも比例九州で当選を続けている。これまでも比例九州で社民党が議席を獲得できるかどうかはギリギリであったが、さすがに今回は厳しい。比例九州の定数が1減ることも不安材料だ。社民党は、2議席を確保する可能性、1議席だけ確保する可能性、2議席とも失う可能性のいずれも持っている。2議席を失った場合、政党要件を確保していながらも、所属国政議員は参議院議員の2名だけになる。政党助成金もさらに減り、政党としての体裁を維持できるかどうかの瀬戸際になる。

 自由党も厳しい状況だ。自由党は、国政議員は6名いる。衆議院では岩手4区の小沢一郎氏、沖縄3区の玉木デニー氏、参議院では2019年改選の山本太郎氏、2022年改選の森裕子氏、青木愛氏、木戸口英司氏である。社民党との違いは参議院選の比例で2%以上の得票率に達しておらず、国会議員5名の確保が政党要件を満たすために必要ということだ。つまり次の衆議院選挙で小沢氏か玉木氏の少なくとも1名は当選することが求められる。圧勝を続けてきた小沢氏も万全ではない。生活の党・自由党の党勢が落ちているだけでなく、小沢氏も高齢化し、影響力が落ちている。さらに選挙区の改正によりこれまでの岩手4区がなくなり、新たな岩手3区からの出馬となる。前回選挙では自民党の藤原崇氏にかなり迫られている。藤原氏は比例で当選しており、現職として戦うことになる。小沢氏の当選が約束されているとは言えない。玉木氏も万全というわけではない。自民党の比嘉奈津美氏は比例で当選しており、今回も激戦が予想される。微妙だ。

 自由党においては小沢氏の選挙結果が最も重要だ。党代表でもある。東北比例で自由党が議席数を確保することは難しいだろうから、小選挙区で勝ち抜くことが求められる。

 社民党も自由党も今回の衆議院選挙の結果次第では、合併などの選択肢を考える必要が出る。一番、現実的なのは社民党と自由党の合併だ。民進党も大敗することが考えられ、一緒になる可能性も0ではない。ただこれまでのいきさつから、民進党との合併には大きな抵抗がいずれからもあるだろう。すでに社民党や自由党の力は限定的になっている。メディアなどでの露出も激減している。次期総選挙の結果によらず、政党として残っている間に、次の展開を真剣に考えるべきだろう。もう少し力のある間に、もっと早く展開をしておくべきだったかもしれない。