小池・若狭新党と名古屋・大阪との連携はできるのか?

2016年東京都知事選挙 小池氏に河村市長が応援演説(写真:Motoo Naka/アフロ)

 衆議院の9月解散、10月総選挙の日程が現実化しつつある。それに合わせて、各政党は準備を急ピッチで進めている。特に、小池・若狭新党はまだ設立もされておらず、これから1週間の間に一気に形が形成されることになる。政策や発想、方向性のすり合わせをじっくりとしよう、としていた戦略は見直さざるを得ず、合意できるものを明確にし、基本的な方向性だけを決めて、立ち上げとなるのだろう。衆議院選では、各選挙区で1人を決める選挙であり、小党には不利だ。また国会議員が5名以上で政党要件を満たさないと、小選挙区と比例との重複立候補が認められない。つまり、民進党を離脱した議員や無所属議員などは小池・若狭新党の結成に参画して戦うことが重要になる。これから、解散が宣言されるとみられる9月28日、そして公示日までに目まぐるしい展開が予想される。

 小池・若狭新党は、都議会選の結果をみても、東京においては圧倒的な力を持っていると考えられる。問題は、全国での候補者擁立と票の確保だ。特に、大阪を中心とした関西地区、名古屋を中心とした東海地区は大きなポイントだ。東京、大阪、名古屋を制すれば、全国への波及も大きい。

 大阪には、日本維新の会の勢力が強く、名古屋には減税日本がある。1年前に小池知事が誕生した時には、小池新党とこれらが連携し、東京ー大阪ー名古屋の大都市連携を作るのではないかという予想もあった。非自民保守という大まかな方向性は一致しており、その可能性は十分、想定できた。しかし状況はかなり複雑だ。

 まずは、小池知事勢力と日本維新の会との関係だ。小池知事誕生の後すぐくらいは、お互いにエールを贈るような関係も見られたが、次第に溝が深まっていく。松井一郎大阪府知事は「似て非なるもの」と小池都政を厳しく批判する。この二つの勢力は水と油のような関係になりつつあり、現時点での選挙協力などは考えられない状態だ。小池・若狭新党が、関西での候補者擁立をどのようにするのかは、注目に値する。小池・若狭新党にとっては、関西での比例の票の伸びも重要であり、小選挙区での不戦敗が多くなると、その地域での展開が難しくなる。

 名古屋には河村たかし名古屋市長が率いる減税日本がある。一時期は国会議員も擁し、名古屋市議会でも2011年のリコールによる市議会選挙で28名の当選者を出し、大きな勢力になっていた。しかし、議員の不祥事や方向性の違いなどから辞職や離党などもあり、現在は国会議員は存在せず、名古屋市議会議員が12名いるにとどまっている。

 河村市長は、報道されている9月解散、10月総選挙に対して、市長の職を辞して、立候補する意思を明らかにしているようだ。「河村名古屋市長 衆院選出馬で調整進める」(CBCテレビ)

 河村市長は、小池知事や若狭議員、細野議員らと連携して、選挙に臨みたいとしている。小池氏と河村氏は日本新党で同じ政党に居たこともある関係だ。河村市長は小池氏の知事選でも応援演説に行ったし、小池政経塾である希望の塾でも講師を務めたこともある。名古屋は大阪と違って、簡単に連携ができそうにみえる。しかし、お互いがよく知っているだけに簡単ではない部分もあるようだ。河村氏は独特の発想、政治観を持っており、連携に消極的な姿勢を見せる人もいる。維新の会と減税日本の連携も結局、できずに終わっている。

 また東海地区においては、大村秀章愛知県知事の存在も大きい。大村知事と河村市長は最初の頃は、二人三脚という感じで連携を取っていたが、最近は、名古屋の大展示場建設問題などで、意見の対立もあり、関係は冷えている。小池・若狭新党が愛知県で候補者を擁立するとなると、河村市長だけではそれほど有効な戦略を組めないと見る人もいる。

 とはいえ、東京だけの小池・若狭新党では国政の広がりはない。全国区となるためにも、東海・名古屋での地盤固めは重要だ。じっくりと話をつめるだけの時間的余裕はない。河村市長は勝負をかけた。今後の展開はどのようになるのか。注目である。また名古屋市政もこれからどうなるのか、流動的だ。名古屋城の天守閣木造復元計画もますますわからなくなった。

 「いきなり」解散のもとでは、小池・若狭新党の全国的な戦略は、不十分なままに進めるしかない。小池知事や若狭議員は、1~2週間で思い切った判断を下さなければならない。この判断は日本の多くの地域において非常に大きな影響を与える。