小池新党の展開は?~政局が大きく動く可能性

(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 小池百合子東京都知事と若狭勝衆議院議員が会談し、国政においてもいわゆる「小池新党」を立ち上げていく方針を確認したことが報道されている。これはすでに以前から既定路線といえ、「再確認」したということだろう。

 若狭氏は、自民党と「小池新党」との二大政党化を目指すとしている。これまで自民党に対抗する二大政党の一つは民進党とされてきたが、「小池新党」ができれば、この構図が大きく変わる可能性がある。民進党は支持率が低くても、自民党を支持しない人の票の受け皿になってきた。最近は共産党も受け皿になり、共産党も勢力を伸ばしてきた。しかし「小池新党」ができれば、そうした非自民・反自民の票の多くは、「小池新党」に流れそうだ。特に民進党が受けるダメージは極めて大きくなりそうで、一気に社民党化する可能性さえある。

 小池新党の立ち上げは時間の問題となっている。若狭氏は、国会議員5人以上の政党要件を満たせば少数でも結党する意向を示している。既に細野豪志氏、長島昭久氏、野間健氏、松沢成文氏、渡辺喜美氏の名前があがっており、これに若狭氏を加えれば6人での立ち上げはすぐにでも可能だ。衆議院にも参議院にもこの他にかなりの数の無所属議員がいる。創設が現実化すればさらに加わる議員の数は増えそうだ。また民進党からさらに離党する議員も出る可能性がある。衝撃だったのは、民進党の代表選で国会議員の無効票が8もあったことだ。当然ながらこの8人の議員は、離党予備軍といっていいだろう。投票した議員の中にさえ、さらに離党予備軍が隠れている可能性もある。

 さすがに自民党の現職からの移籍は考えにくいが、自民党の主導権争いの状況によっては、可能性が0ではない。注目は石破茂氏だ。石破氏が来年の総裁選で、選出される可能性は低い。自民党の要職から外れており、衆議院選挙を前にして石破氏が浮上することは考えにくい。小池氏と石破氏はともに元新進党であり、かなりの交流がある。小池氏は2012年の自民党総裁選で石破氏を支持しており、政策などもかなり近いとされる。「小池新党」の中心の若狭氏は議員としての経歴は短く、石破氏の経験と人脈は「小池新党」の発展に大きなプラスになる可能性がある。状況によっては石破氏が、石破派「水月会」の何人かを引き連れて「小池新党」に合流という展開も完全に否定することはできない。

 「小池新党」の設立時期は、10月の3つの衆院補選に新党から擁立を考えるかどうか、安倍首相が今秋にいきなり解散をするかどうか、がポイントだ。衆院補選は擁立しても敗れるなら勢いを削ぎかねない。あえてこの時期にリスクをとることはないだろう。また現在のところ今秋の衆院解散はない可能性が高い。とはいえ「いきなり解散」には備えておく必要はあり、9月内での新党立ち上げとなるのではないか。5~6名で小さく立ち上げ、その後、年末までに仲間を増やすという戦略だ。

 遅らせる場合でも年内には立ち上げとなる。その場合にはさらに準備して立ち上げ時に10名以上の国会議員の参加を目指すことになる。いずれにしても小池新党が今後の政局の中核になりそうだ。

 「小池新党」の強みは、「希望の塾」の塾生の存在だ。3000人強の塾生のリストがあり、その多くが政治家を目指している。若狭氏も「輝照塾」を立ち上げているが、国政に出る人はこの「輝照塾」に入り、出馬するプロセスのようだ。いずれにしても、今年内の解散総選挙でも、来年の解散総選挙でも、かなりの選挙区に候補者を擁立できそうだ。

 連合も今後の展開を見守っている。都議選では連合東京は都民ファーストの会の候補者も支援した。連合が民進党を支援することが当然のことではなくなる可能性もあるのだ。さらに言えば、公明党も都議選では都民ファーストを支援した。この1~2年のうちに、相当な政局の変動があるかもしれない。

 都民ファーストの会やこれからの「小池新党」は、多くの新党が歩んできたようにすぐに支持率が落ちるとみる向きがある。来年まではこの勢いは持たないという予想だ。だが国政ではほとんど実績のない小党として誕生するのだ。足を引っ張ろうにも、引っ張る足が少ない。小池知事自身の不祥事などがなければ、少なくとも次の衆議院選挙までは「小池新党」の勢いは止まらないだろう。