ニュースにならない民進党代表選~危機の民進党に新たな展望は?

(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 民進党代表選の告示日が過ぎて、投開票まであと1週間となった。代表は、前原誠司氏になるのか、枝野幸男氏になるのか。問題はその選択よりも、メディアでの取り上げも限定され、盛り上がらないことだ。民進党が日本の閉塞感を打ち破ってくれるという雰囲気がなくなり、最大野党の党首選にも関わらず、関心は薄い。つまり、前原氏になっても、枝野氏になっても、民進党に希望を感じないという国民が多くなっているということだ。民主党・民進党は社会党・社民党が歩んだ道を進みつつある。

 前原氏と枝野氏の選択で、ポイントとされるのは、共産党との連携だ。自民党に小選挙区で対抗するには民進党が共産党と連携をして、安倍政権に反対する勢力を結びつけることは票の積み上げという点から意味がある。しかし同時に、民進党を支持している保守層が逃げるリスクもある。つまり、次の選挙では、共産党と連携しても、しなくても一長一短という感じになっている。実はこのゼロサムゲームが本当の問題ではないことを認識する必要がある。つまり、民進党の前身の民主党が一気に伸びたのは、日本の閉塞感を突き破って欲しいという浮動票層が、一気に民主党に期待の票を差し出したからだ。今の議論では、前原民進になろうとも枝野民進になろうとも、この浮動票層は民進に戻ってこない。民進党への支持率は現在、低いが、勢いがあった時でさえ、それほど高くはない。自民党支持率よりも低くても、圧倒的に浮動票を獲得できたから、小選挙区でも勝利してきたのだ。この浮動票層からの支持なしには、民進党はまともに国政選挙を戦うことはできない。

 これが、東京都議選で結果として表れた。都議選は小選挙区制ではない。1人区は限られている。3人区、4人区、5人区、6人区、8人区がかなりある。それにも関わらず、獲得議席はわずかに5。小選挙区制であったなら、完全に0議席のはずだ。

 これまでは、なにはともあれ、非自民・反自民の票を民主党は当然のように得てきた。しかし、次の衆議院選挙からは小池新党がその受け皿になりうる状態だ。二大政党化が進み、自民対民主(民進)の構図が出来つつあったこれまでとは全く異なる状況になりうるのだ。つまり、自民党に対して不満がある浮動票層の受け皿が別にできるのだ。民進党はこれまでにない大敗を喫す可能性がある。

 今回の代表選は、単に保守の前原氏とリベラルの枝野氏の戦いというだけでは、どちらが代表になっても敗者の路線に繋がる。つまり、そうしたコップの中の小嵐の戦いではなく、日本に新たな展開を与えるような方向を示す必要がある。小泉純一郎氏が「(古い体質の)自民党をぶっ壊す」と叫んだように、(古い体質の)民進党をぶっ壊す、(古い体質の)日本をぶっ壊す、そして新たな展開を構想するための戦いを期待する。

 現在の代表選の展開としては、前原氏優勢の流れだ。1.まず、分裂を恐れる党員の中では、枝野氏が代表になると保守議員が離党するのではないかと考えていること、2.国会議員の中で、前原氏支持がかなり上回っていること、3.枝野氏は労組にも関係が深いが、連合が共産党との連携を嫌うこともあり、おそらく票差が明確につかないだろうこと、4.小池新党への距離も、近ければ、民進党である必要はなく、遠ければ保守層が離れるわけで、明確な票の方向性はないこと、などから総合的に、前原氏が有利な展開だ。

 どちらが選ばれても民進党の立て直しは厳しい状況だ。選挙の戦いの直後から、試練の戦いが始まる。予想を覆すような新たな民進党の姿をみたい。