急浮上の「9月22衆院解散・10月22日総選挙」は、本当にあるのか?

(写真:ロイター/アフロ)

  「9月22日衆院解散・10月22日総選挙」説が永田町で急浮上している。一般には来年秋の自民党総裁選の後に、解散総選挙があると予想されている。私もその可能性が最も高いと考えている。「9月22日衆院解散・10月22日総選挙」の可能性について考えてみよう。

  「9月22日衆院解散・10月22日総選挙」説の根拠は、1.小池新党が本格的な国政選挙の準備をする前に選挙をすべきという見解、2.民進党の代表選挙で、枝野氏と前原氏のどちらが選出されても党内は分裂的になり、まとまらないという予想、3.安倍内閣改造によって政権への支持率がやや上がっていること、4.衆議院の愛媛3区と青森4区の補欠選挙があり、連敗すると安倍おろしが加速するので、総選挙をかぶせて影響を小さくしたいこと、5.来年になると追い込まれ解散のイメージとなり厳しくなること、などだ。

 確かに小池新党が本格的に立ち上がる前に総選挙を行うということは意味があるかもしれないが、その他の理由についてはかなり疑問符がつく。小池新党にしても、10月総選挙の情報が流れるならば、一気に全国で候補者を擁立することが可能だ。小池百合子政経塾の希望の塾には3000人を超える受講生が集まった。その多くが政治家を志望しているという。小選挙区の数は区割りの変更で289に減った。その中の200くらいの選挙区に候補者を擁立することは可能だ。むしろ時間をおいて、候補予定者のいろいろな問題が取り上げられるより、一気に小池新党の名のもとに、勢いで選挙を行った方がいいかもしれない。何といっても先の都議選では都民ファーストの会は自民党にも圧勝した。民進党は都議会では弱小会派に追いやられたのだ。10月総選挙であればこの傾向は変わらないだろう。都議選でもほとんどの候補者の選定は告示のわずかに数ヶ月前だ。289の選挙区のほとんどに擁立することも不可能ではない。

 民進党の代表選においては、民進党は多少は世間の注目を受けるだろう。そして新しい代表が決まれば、これまでの低支持率よりは多少はアップすることになる。9月解散、10月総選挙では、分裂するような時間的余裕はなく、基本的にほとんどの議員は民進党で立候補することしか選択肢がない。

 安倍内閣改造で多少、安倍内閣支持率は上がっているが、以前の高支持率に戻ったわけではない。すでに江崎鉄磨沖縄北方担当相の「(北方領土問題は)素人」「役所の答弁書を朗読すればいい」といった失言が問題となっている。支持率が今後、大きく改善する可能性は小さい。

 愛媛3区と青森4区の補欠選挙はわずかに2議席の問題だ。しかし、総選挙となると、小選挙区289議席と比例代表176議席の465議席の問題となる。これまでの総選挙で自民党は大勝しており、おそらくかなりの議席を減らすとみられる。そうなればほぼ確実に安倍首相は辞任に追いやられるだろう。

 来年に追い込まれ選挙になろうとも、総裁選をしっかりと戦い、国民の注目を受けてから総選挙というのが自民党にとって最も傷が浅い総選挙といえるだろう。

 ただ、最近、安倍首相は解散総選挙の時期を完全に読み間違えている。昨年、あるいは今年のはじめに総選挙を打っていれば状況は大きく変わったであろうが、それをあえてしなかった。そして、今、やるべきでない時期に解散総選挙を行う可能性は0ではない。民主党政権時代に野田佳彦首相が逆風の中、あえて解散総選挙を行い、民主党政権にピリオドを打ったのと同様に、今回も自民党不利の総選挙を行う可能性もありはする。それは安倍政権と自民党一強時代の終焉を意味するだろう。

 おそらくそうした自殺的行為は安倍首相はしないだろう。来年の秋までは解散総選挙はない、と私はみている。