第3次安倍第3次改造内閣が発足~再建はできるのか?

(写真:ロイター/アフロ)

 第3次安倍第3次改造内閣が発表された。ベテラン議員が顔を並べ、大臣経験者も多い。サプライズを抑えて、失言や不祥事が相次いだ状態を改善しようという意思がみられる。安倍内閣の支持率はかなり低下しており、支持率向上のためにはサプライズを入れる可能性もあった。非常に人気の高い小泉進次郎議員の入閣や民間から橋下徹氏の法務大臣としてのサプライズ登用も噂としてはあったが、実際にはかなり落ち着いた新内閣の布陣となった。この布陣であれば、今年中の衆議院解散総選挙はまずないとみていいだろう。安倍内閣支持率も自民党支持率もかなり落ちており、時間をかけての立て直し戦略を目論んでいるといえる。来年の自民党総裁選以降にマイナーながらも目玉人事のある内閣改造を行い、衆議院解散総選挙に向かう可能性が強い。

 ただ、自民党にとっても注視すべきは小池新党の動きだ。民進党の細野豪志議員が民進党からの離党を検討していることが話題になっている。小池新党に加わる可能性のある国会議員として若狭勝、渡辺喜美、長島昭久、松沢成文の4氏の名前が挙がっている。政党要件を満たすためにはあと1人が必要だが、まずは細野氏が加わりそうだ。小池新党の体制が整う前に解散総選挙を行うという手もあるが、さすがに現在の安倍内閣と自民党への支持率では難しい。今の自民党の衆議院議員の議席はかなり減らすことになり、安倍内閣退陣に繋がる。小池知事にとっては新党立ち上げの十分な時間的余裕が生まれたと言える。民進党代表選の行方如何では、民進党からの離脱者がかなり出る可能性もある。

 この第3次安倍第3次改造内閣においては、まず注目したいのは、外務大臣への河野太郎氏の任用だ。安倍首相はタカ派として知られており、中国や韓国は安倍首相がやることなすことすべてを否定するというような態度を続けてきた。河野太郎氏はハト派のイメージが強く、東アジア情勢の改善につながる可能性はある。1993年の河野洋平内閣官房長官による河野談話のインパクトも引き継ぐことになる。ただこれは安倍首相のこれまでの中国や韓国に対する姿勢の変更とみられる可能性もあり、内外の評価は分かれるだろう。また、閣内での意思の統一がどこまで出来るのかも微妙だ。河野太郎氏は自分の意思を率直に表現する政治家としても知られている。新内閣においては注目の人事だ。

 また野田聖子氏の総務大臣の任用も注目される。野田氏は総裁選に出馬したし、またすると明言している。ただ野田氏は無派閥であり、よほどのことがない限りは実際的なライバルになることはない。安倍首相としてはこれまでの「おともだち内閣」のレッテルを剥がし、意見の違う人も閣内に入れるという姿勢を見せることで、安倍内閣のイメージを変えることを模索したのだろう。野田氏は最近、小池百合子知事とポスト安倍ということでも接近している。勝手に接近してもらうのでははなく、閣内で、小池百合子知事との関係を築いてもらうほうがいいという判断もあったと推察される。それにしても総務大臣は要職であり、かなり大胆な任用だ。

 この人事からはポスト安倍は見えてこない。なんとか安倍内閣を立て直し、支持率を上げて、来年の総裁選、衆議院選を勝ち抜き、長期政権下での憲法改正を目指すということだろう。自民党総裁選、衆議院解散総選挙まではおそらく1年以上ある。この新内閣で国民の支持を再び勝ち得ることができるかどうか。おそらく鍵になるのは国際情勢の動きだろう。