都議会第一党は都民ファーストか、自民党か~今後の主導権に大きな影響

都議会選で応援演説する小池百合子氏(写真:西村尚己/アフロ)

東京都議会選挙が始まった。7月2日の投開票日が迫っている。注目の一つは、都議会での第一党に、都民ファーストの会がなるのか、自民党がなるのか、だ。今後の議会運営の展開を考える上でも非常に重要だ。いくつかの都議選議席予想が出ているが、予想は分かれている。小池知事ブームは終わり、都民ファーストはそれほど伸びず、自民党の底力で自民有利とみる人と都民ファーストの勢いはまだあり、都民ファースト優勢とみる人に分かれている。私は都民ファースト有利と分析している。「東京都議会選挙、最終予想~都民ファースト47、自民40、公明23、共産11、民進5、ネット1

都民ファーストが優勢な7つの理由がある。

1.浮動票は今でも都民ファーストが受け皿

東京都などの大都市では浮動票が圧倒的に重要だ。小池知事人気に陰りがあるといいながらも、浮動票の行き場はやはり都民ファーストになる。自民党や民進党にはなかなかいかない。つまりどの政党に投票するかで、自民党が優勢であろうと、実際には最大グループといえる浮動票の行方が勝負を決める。

2.都民ファーストと公明党の連携

これは非常に大きい。特に1人区、2人区でのこれまでの都議会選挙では、自民党候補者は公明党からの支援を得てきた。票だけでなく、選挙の体制においてもこれは重要なポイントであった。その支援が都民ファーストに移ったら状況は一変するといっていい。国政での自公連携も以前ほどの一体感がなくなっている。これは国政で自民党が圧勝しており、公明党が与党に加わっている価値が低く見られていることと連動している。都議会選は、公明党の存在感を示す機会となる。

3.逆風の自民党

自民党に逆風が吹きつつある。高支持率を誇ってきた安倍内閣も、森友学園や加計学園の問題で、批判を受けている。最近、議員の不祥事もいくつか起きている。豊田真由子衆議院議員の秘書に対する暴力・暴言事件は都議選告示の直前に明らかにされた。浮動票が重要な都議会選挙ではかなりの影響がある。自民党は公認候補者数が一番多い。つまり強気の選挙戦略だ。うまくいけば議席数を大きく伸ばすことが出来るが、失速は共倒れに繋がる。

4.メディア露出は圧倒的に小池知事

小池知事のメディア露出はやはり大きい。告示直前に、築地市場の豊洲移転問題についての方向性を出した。この方向の評価は分かれるが、まず小池知事がメディアに相当に出たことは確かだ。小泉旋風の吹き荒れた郵政民営化総選挙の時、小泉純一郎氏への批判の声は強かった。しかしメディア露出は圧倒的で、結局、小泉自民党は圧勝したのだ。橋下徹氏の大阪知事選、大阪市長選の時も彼に対するバッシングの声も凄かった。しかし、橋下氏は圧勝してきたのだ。現代の選挙はメディアに出た者勝ちの傾向がある。

5.「築地を守る、豊洲を活かす」

この方向がいいかどうかはここでは論じない。これが選挙にどう影響するかだ。小池知事が豊洲に決めても、築地に決めても、あいまいにしても、自民党は反撃に入る体制であった。しかし、小池知事の選択は、具体的な部分には触れずに、「築地も、豊洲も」というものだった。最も批判しにくい方向性だ。具体化していないので、これが財政的にどのようになるかのシュミレーションもできず、豊洲派も築地派も表立った批判はしにくい。

6.1人区、2人区で左派勢力は都民ファーストへ

特に1人区が重要だ。民進党や共産党などの支持者は自らの支持政党の候補者擁立がない1人区や2人区選挙区では、反自民の方向から、結局は都民ファーストの候補者に入れる可能性が高い。1人区の多くでは、自民党候補者は都民ファーストの候補者に競り負けると予想される。

7.都議会選挙では現職有利は限定的

東京都のような大都市では、現職有利のポイントは低い。田舎では現職であることにより、様々な人脈が築ける。しかし大都市では票に繋がるような人脈は限定的だ。意味がないことはないが、「風」による浮動票の移動と比較するとはるかに小さいのだ。「現職」という肩書きの要素はあまりあてにならない。

このように考えると、都民ファースト対自民では都民ファーストがかなり有利な展開だとわかる。公明党は23人の全員当選か、取りこぼしても1つと予想されている。都民ファーストが自民を上回ることは、都民ファーストと公明で都議会の過半数を得ることになる。

都議会選挙は首都東京の選挙だ。これは東京都にとどまらず、国政にも影響を与える。「東京都議会選挙、今日告示~国政にも大きな影響」。注目だ。