東京都議選・告示まで1か月~やはり強い小池知事

定例会見での小池知事(5月12日)(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

東京都議選が間近に迫ってきた。告示まで1ヶ月となり、選挙に向けて各陣営は動きを活発化している。

小池百合子都知事は1年前に選挙を勝ち抜いてから非常に高い支持率を誇ってきた。8割を超えるときもあるくらい絶対的人気であったが、読売新聞の最新の調査(5月22日発表)によると、69%に落ちている。一般的に言って「知事」の支持率は評価が難しい。知事の仕事は住民には見えにくく、地方の県知事は6割、7割の支持を得ていることが多い。沖縄や原発保有県でなければ、都道府県民を二分するようなテーマはあまりないのである。現在の東京都はマスコミに相当に取り上げられ、関心が高く、また豊洲市場移転問題や東京オリンピック開催など、難題も存在する。この状態で69%の支持率はやはりかなり高いと評価していいだろう。

都議選の予想は二つに分かれている。小池知事はいまでも強く、都民ファーストの会が自民党に差をつける、という見方と、小池ブームは去り、都民ファーストの一方的な勝利にはならず、議席数はほぼ拮抗するという見方だ。小池知事に対しては、豊洲移転をどうするのか、判断に時間がかかり、豊洲移転派からも、築地継続派からも批判の声はある。自民党はこの声をベースに小池知事批判の声を強めている。

読売新聞の世論調査では、政党別の投票先については以下の結果となっている。

都議選での投票先

自民党(25%)

都民ファーストの会(22%)

公明党( 6%)

共産党( 6%)

民進党( 5%)

無回答(26%)

自民党が都民ファーストの会を上回っていることは注目される。小池知事への支持率が都民ファーストの会に重なるわけではない。自民党と都民ファーストの会が二大勢力となっているのは間違いなく、1人区ではこの二つの勢力が議席を争うことになる。

もう一つの驚きは、民進党支持の低さだ。ほとんどの予想で、1桁の議席数となっている。獲得議席0を予想する人さえいるくらいだ。6人区や8人区もあるわけで、さすがに0議席にはならないだろうが、5議席前後の大敗は現実的だ。

小池知事は、公明党と連携を組んでおり、都議選の1人区、2人区では公明党は都民ファーストの会の支持にまわる。共産党や民進党支持層もかなりは都民ファーストの候補者を支持することになるだろう。このように考えると、やはり都民ファーストの会が圧倒的に有利だ。

豊洲市場移転問題もこれから大きな進展があるとは思えず、一気に有利、不利の風が吹くことは考えにくい。新たな注目テーマとして浮上してきたのが禁煙法案だ。東京五輪に向けて、公共の場を禁煙にする取り組みだ。受動喫煙防止に向け健康増進法改正を検討していた政府と自民党との間で、全面禁煙か分煙かという規制のあり方をめぐり調整が難航している。そこに小池知事が全面禁煙を掲げて政策提言をしてきた。ちなみに自民党東京都連は東京都議選に向けた公約で、屋内全面禁煙とする都独自の条例を制定する方針を明記している。小池百合子都知事の動きよりも早く公約に盛り込んだ形だ。しかし、自民党の中では意見は分かれており、自民党は全面禁煙に消極的というイメージができている。そこに、受動喫煙対策を議論した自民党厚生労働部会で「(がん患者は)働かなくていい」という趣旨のヤジ問題が湧き上がってしまった。自民党の大西英男衆院議員のヤジだ。大西議員は東京16区選出の国会議員であり、自民党にはマイナスになると予想される。喫煙率は日本全体では10%を切っている。東京都は全国平均よりも低くなっており、マジョリティは非喫煙者だ。女性の喫煙率は10%を切っている。小池知事が禁煙の旗を振ると、情報発信力の強さもあり、票は都民ファーストの会に流れそうだ。自民党都連も禁煙条例を公約にいれているのだが、注目された大西議員のヤジ発言に足を引っ張られる格好だ。

日中韓の3カ国首脳会談は都議選の後に開催されることになりそうで、都議選前には世論を動かすようなものはなさそうだ。

私は都民ファーストの会が50議席以上を獲得し、公明党と合わせて70議席以上を獲得すると予想している。余裕の過半数獲得だ。豊洲市場移転やオリンピック問題などは、小池知事が多数与党を獲得してから情勢が動くことになるのだろう。