小池新党の行方~衆議院解散時期にも影響か

(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 東京都知事選で小池百合子氏を支援した7人の区議、いわゆる7人の侍に対して、自民党都連は自民党からの除名処分を決めた。自民党は7人の区議に対して、対話の機会、弁明の機会を与えたが、結局彼らはそれを断り、こうした事態に至った。この自民都連との対決姿勢には当然のことながら小池知事の意向があるはずだ。小池知事は都議会の運営において、都議会自民党を懐柔するか、対決するかの選択を迫られた。様々な利権が組み込まれており、改革のためには「対決」しかないと判断したのだろう。全面対決を覚悟し、来年の都議選で「小池新党」から遠慮なく候補者を擁立し、自民党都議の数を半減させる方向に舵を切ったといえる。自民党以外の都議の多くを準与党化させれば、「小池新党」の候補者が4分の1から3分の1を占めるなら、与党的勢力で過半数を取ることができる。そこで初めて思い切った改革が可能になる。

 都議選での方向は定まったと言える。東京都だけの独特のシステムであった政党復活予算の仕組みも廃止することを決めた。これは都議会自民党にとっては非常に大きな衝撃であったに違いない。最大会派の都議会自民党の裁量は大きく、これは直接的に都議の「手柄」となる。利権構造ができやすいもので、小池知事がこの仕組みにメスを入れるのは当然だ。都議会自民党からすれば、政党復活予算がなくなり、議会で野党化するとなると、これまでの状況が一変し、「権力」が激減したことを意味する。これで知事も都議会自民党も全面対決しか選択肢が残らない形となった。中途半端な懐柔路線が消えた。

 これからのポイントは「小池新党」がローカルパーティとしてのみ機能するのか、国政にも進出するか、である。

シナリオA ローカルパーティとしての小池新党

 東京都は今後、オリンピックなどで国との協力関係を強めることが求められる。安倍政権と良好な関係を持ちつつ、大事業を成功させていかなければならない。カジノの誘致においても東京都は有力候補だ。小池新党が国政にも進出するとなると、自民党本部との関係は一気に悪化することは間違いない。その時点では小池知事にも除名処分が下る可能性が高い。それは、小池知事も安倍政権も望むところではない。あくまでも東京都内での対立構造に留めておきたいのだ。都議会選挙では「小池新党」が立候補者を擁立するものの、国政においては、自民党員の顔として振る舞うというシナリオだ。私はこれが最も可能性があると考えてきたが、7人の侍の件で、小池知事は都議会自民党と真っ向対立の構造を選択した。こうなるとローカルパーティとしてのみ留まるのは難しいかもしれない。

シナリオB 国政にも進出する小池新党

 現在の勢いであれば、小池新党を設立して、一気に国政にも進出することは可能だ。東京都議会の問題は全国ニュースとなり、小池新党に共感を持つ人は少なくない。日本維新の会との連携である一定の議席を獲得することも見込める。とはいっても、衆議院の小選挙区制のもとでは議席の獲得は限定的となる。現実的なのは日本維新の会の共同代表に松井一郎氏と一緒に就任して、東京都知事と大阪府知事が率いる政党とする構想だ。大きな第三極となりうるもので可能性は否定できない。新生維新の会は日本の政界の台風の目になり可能性がある。自民党の票も民進党の票も食うだろう。

 可能性が最も高いのは小池新党としてローカルパーティーで始めて、途中で国政では維新の会と合併するというものだ。この可能性とスピードは、安倍政権の小池知事への姿勢とともに、解散総選挙の時期などが密接に絡む。安倍政権は、小池新党が国政政党を目指したり、日本維新の会と連携を進める前に、解散総選挙をしてしまうという可能性が高くなった。都議会選挙での対立は仕方ないとしても、国政選挙に小池フィーバーが入り込まないようにするには、できるだけ早く解散をして、準備が整わないようにするのが一番だ。二階幹事長は年内解散はない、と明言しているが、まだこの線は残っている。年末年始で新たな動きが出る前に、打って出るというものだ。年末解散がなくても年始解散は避けられないと予想している。

 小池新党の動きは都議選をにらんでもう少しゆっくりしたものになると予想していたが、事態は急変しつつある。まだ小池知事はルビコン川を渡っていない。渡るかどうか、決断を迫られている。