衆議院東京10区、福岡6区補選の行方とその後の展開

(写真:アフロ)

 衆議院東京10区補選と福岡6区補選が間近に迫ってきた。10月11日告示、23日投開票だ。この二つの選挙は、自民党にとっても民進党にとっても今後の展開に影響を与えるものだ。

 民進党と共産党は衆院東京10区、福岡6区両補選で、いずれも民進党公認候補者に一本化する最終調整に入り、共産党は既に発表した公認候補予定者を近く取り下げることを発表した。東京においても、福岡においても野党連合でも勝利できる可能性は低い。それでも民共選挙連携をするのは、噂される年明け衆議院解散総選挙での連携態勢を確固にする意味もある。ポイントは、二つの選挙区で大きく離されて負けると、野党選挙連携に異議を持つ人もいる民進党内での蓮舫代表のポジションが不安定になる。少なくともどちらかでは接戦に持ち込み、野党選挙連携の効果を示す必要がある。2014年の選挙の結果を見てみよう。

2014年衆議院選挙における東京10区の結果

小池百合子(自民党公認、公明党推薦)93,610票 50.7%

江端貴子(民主党公認).......44,123票 23.9%

今秀子(日本共産党公認)......28,453票 15.4% 

多ケ谷亮(生活の党公認).......9,663票  5.2%

神谷ちづ子(次世代の党公認).....8,688票  4.7%

 

 計算上は、民主党票、共産党票、生活の党票などが足し算になれば、自民党の小池氏にかなり迫ることになる。しかし、小池氏の都知事選の圧勝から、小池氏には「ブーム」とも言えるほどの追い風が吹いている。今回の東京10区補選で自民党公認候補として立候補する若狭氏は小池氏を選挙応援し、話題になった。圧倒的な強さで当選するのではないかとみられている。

 東京10区補選には自民党の若狭勝氏、民進党の新人の鈴木庸介氏、諸派の新人の吉井利光氏が出馬を表明している。共産党の岸良信氏が民進党への候補統一ということから辞退となる。若狭氏の票が民進党の鈴木氏の票の倍近くになると野党連携の効果が疑われることになる。

2014年衆議院選挙における福岡6区の結果

鳩山邦夫(自民党公認、公明党推薦).... 116,413票 72.0%

金子睦美(日本共産党公認).........45,357票 28.0%

  

 2014年衆院福岡6区選挙では、民主党候補者が出馬していないで、参考にしにくい。また今回は自民党は分裂選挙となるので、机上の計算は難しい。単純な野党票の足し算をすると、野党にも勝機はあると考えられる。しかし、今回の選挙は鳩山邦夫氏の弔い選挙の意味もある。邦夫氏の次男で党本部が推す前福岡県大川市長の鳩山二郎氏が優勢だが、それに異議を唱える県連が推す県連会長の長男の蔵内謙氏が共に立候補を表明している。もっぱら話題は鳩山氏対蔵内氏の自民党分裂戦争だ。民進党は新井富美子氏を公認、共産党は小林解子氏の擁立を予定していたが、共産党の小林氏が辞退となり新井氏に一本化のようだ。ただ、鳩山氏と蔵内氏の争いばかりが注目され、新井氏の存在感は薄い。ここでも野党候補が自民系の二人にかなり離されると野党選挙連携の効果が疑われる。保守分裂の選挙だけに、2番手に入れるかどうかが目安になる。

 自民党にとっては違った意味で注目される選挙だ。東京10区補選では、若狭氏の選挙運動のあり方が注目される。東京都知事選では若狭氏は自民党が推薦した増田氏を応援せずに小池氏を応援した。東京都連に楯突いた形だ。東京都連のメンバーや自民党の重鎮が若狭氏の応援演説をするかどうか。小池知事とともに応援演説の台にあがるのは誰なのか。例えば丸川珠大臣が小池氏とツーショットでの応援演説ができるのか、などは今後の展開にも大きな影響がある。東京都連の幹部が応援演説にたつなら、小池知事との手打ちの象徴になるが、おそらくそれはないだろう。選挙後に小池氏を応援した「7人のサムライ」と称される7人の区議の処分も注目だ。

 福岡6区補選では、党内の勢力争いが注目だ。菅義偉官房長官、佐田玄一郎元行政改革担当相、きさらぎ会幹事長の河井克行首相補佐官が鳩山二郎氏を推し、麻生太郎副総理や古賀誠元幹事長が蔵内謙氏を推しているといわれる。かなり熾烈な戦いだ。すぐに衆議院解散総選挙が噂されている。つまり補選で勝利しても、年明けには総選挙になる可能性が高いのだ。同じ構図を繰り返すのかどうか。

 今回の衆議院補選は蓮舫民進党の初選挙だ。もともと自民党の議席だっただけに、連敗は仕方ない。ただ両選挙とも大敗となると、現在の党内情勢から蓮舫代表はあっという間に危機を迎える。年明け総選挙に向けての勢いがつかない。自民党も東京10区も福岡6区もともに相当にイレギュラーな選挙となった。対応を間違えるとしこりが残りそうだ。