高い安倍内閣支持率~外交でのパフォーマンスが人気を牽引する

G20首脳会議 中国杭州で安倍首相が会見(写真:ロイター/アフロ)

 安倍内閣の支持率が高水準で維持されている。バブル経済が崩壊してからの首相は宮沢喜一首相から14人になる。25年の間に14人(安倍氏は期間を開けての2回)なので、1年半くらいで首相の交代が行われたことになる。宮沢喜一・細川護煕・羽田孜・村山富市・橋本龍太郎・小渕恵三・森喜朗・小泉純一郎・安倍晋三・福田康夫・麻生太郎・鳩山由紀夫・菅直人・野田佳彦・安倍晋三と続いた。本当に目まぐるしい。ちなみにイギリスではほぼ同じ期間、首相はジョン・メージャー、トニー・ブレア、ゴードン・ブラウン、デーヴィッド・キャメロンの4人で、最近5人目のテリーザ・メイ氏が首相に就任した。ドイツとなると1982年からの34年間、首相はヘルムート・コール、ゲアハルト・シュレーダー、アンゲラ・メルケルの3人だけだ。アメリカ大統領は1989年からの17年で、ジョージ・H・W・ブッシュ、ビル・クリントン、ジョージ・W・ブッシュ、バラク・オバマの4人だ。いかに日本の状況が異常であったかわかる。

 日本の25年の間、ほとんどの場合が就任時の高い内閣支持率は1年もすると一気に下がり内閣交代となった。1年ごとに首相が変わる国と揶揄された。例外は小泉純一郎首相の時くらいだ。安倍首相も2006-07年の第一次安倍内閣は短命であったが12年からの首相就任はすでに4年近くになる。内閣支持率も今でも50%を超える高支持率となっている。

 この3週間内で各メディアが世論調査を行っている。

*安倍内閣支持率 56.6% [産経新聞社・FNN(9月17日、18日調査)]

*安倍内閣支持率 52%  [朝日新聞社(9月10日、11日調査)]

*安倍内閣支持率 55.7% [共同通信社(9月17日、18日調査)]

*安倍内閣支持率 62%  [読売新聞社(9月9日~11日調査)]

*安倍内閣支持率 62%  [日本経済新聞社・テレビ東京(8月26日~28日調査)]

 非常に高い支持率だ。外交でのパフォーマンス力が大きい。短命の首相では国際的認知もなくジャパンパッシングとまでいわれた。その時に日本人が失ったプライドを安倍首相が外交的に取り返している感がある。中国、韓国、北朝鮮などへの強硬な姿勢も評価されている。中国で開催されたG20での存在感や北朝鮮のミサイル発射・核実験への対応などが評価されている。ロシアのプーチン大統領と北方領土問題などについて議論している様も好意的に受け取られている。またASEAN関連首脳会議で、南シナ海問題などで安倍首相が存在感を示したこともプラス評価となっている。リオ・オリンピックで日本がメダルを多く獲得し、東京オリンピックへの期待感が高まったことも意外と大きな要因となっている。

 こうした外交で安倍首相は目立つ行動をしている。安倍首相の通算在任期間はもうすぐ5年になる。国際的にもトップリーダーの「格」ではかなり上位に入っていると言える。ただ、まだ明確な成果があげられているとはいえない。尖閣問題も、北方領土も、慰安婦問題も、北朝鮮の核ミサイル問題も、拉致問題もまだ解決までには長い道のりがありそうだ。存在感だけでなく具体的な成果が求められる時期に入っている。アベノミクスも低調気味だ。経済政策でも成果が求められる。

 高支持率がさらに続けば一気に年末・年始の衆議院解散総選挙もありえる。蓮舫民進の支持の行方をみながら勝負をかけるかも知れない。一般的には政党の代表選が行われリーダーが交代すると、御祝儀というか期待感があり、その政党の支持率はアップする。確かに蓮舫代表に対する期待感はある。しかし同時に二重国籍問題などで、蓮舫氏へのバッシングも強く、民進党の支持率はそれほどアップしそうにない。さらにスキャンダルが出る可能性もある。安倍首相は、憲法改正や北方領土返還などでさらに長期政権を築き、「結果」を残したいようだ。勝利できると踏めば、年末・年始の衆議院解散総選挙に踏み切るだろう。日本で最も長い首相在任期間の政治家になるかもしれない。