政治家の公費の不正使用の手口~舛添知事だけではない政治家の問題

 舛添要一東京都知事の政治資金などの使用が社会的に大きなニュースになっている。現在話題になっているものはそれほど大きな額ではないが、首をかしげたくなるような使い方があり、問題はある。様々な「セコイ」手口が話題となっている。

 舛添知事だけではない。政治家の多くは様々な不適切な「やりくり」をしている。 政治家や政治家の秘書にその手口を聞いてみた。政治家や秘書の間では、とりたてて記事にするような特別な話ではないのだろう。というか、記事にしてもらうと困ることなのかもしれない。一般的にはかなり興味深いので、まとめてみる。

1)国会議員のJR無料パス

 国会議員はJRの無料パスをもらうことができる。これは選択制で、月に4度の往復航空券などにすることもできる。東京から選挙区まで距離があったりすると航空券を選択することもできる。ここではJR無料パスについて考えてみよう。目的を問われることはまずないので、家族旅行やある議員のように不倫旅行に使うことも可能だ。ただ、議員はすべての活動が政治活動、と言い切る人もいるわけで、これを判断するのは難しい。ただ、明らかに問題なるケースがある。講演などで地方に行く時、無料パスを使いながら、交通費をもらうというケースがあるという。自由席の場合、後からの検証は無理であるが、グリーン車や指定席では、国会にある「国会議員指定席・寝台申込書」に記入して提出しなければならない。つまり本気で調べると、二重取りが問題になる可能性がある。同伴者の分をうかす場合とそのまま現金を貰う場合とあるようだ。講演依頼がある議員はちょっとびくびくしているという。

2)「文書交通通信滞在費」

 これは制度的な問題だ。地方議員なども以前は政務調査費に領収書などは必要はなかったが、最近はほとんどの場合に必要になった。それによって、様々な問題が明らかになっている。しかし、国会議員の「文書交通通信滞在費」は毎月100万円というかなりの高額でありながら、領収書の提出義務も、報告義務もない。税金がかからないので、まさに第二の歳費といえる。これに報告義務が課せられることになるかどうか。国会議員はこの点はできるだけ触れられることなく、制度の維持を望んでいるようだ。

3)Suicaなどの交通プリペイドカード

 これは政治家、政治家秘書にとって、かなり重要なものになっているようだ。Suicaなどは交通のプリペイドカードとして登場したが、今の時代では、コンビニ、スーパー、家電量販店、書店、カフェなどでも使える。つまり使い方によっては相当に多くのものを買うことに活用できる。それが、チャージすると交通費の領収書のようになるのだから、政治家の事務所は重宝しているという。スーパーで食料品を買うとさすがに政治活動に使ったとは言えないが、suicaなどのチャージのレシートなら、問題ないという。これにメスが入ると厳しい、と秘書たちは言う。

4)プリペイドカード

 民進党の議員のケースで有名になったのがガソリンプリペイドカード。一種の金券であり、お金に戻すこともできるし、ガソリンは多くの人が使うものであるから、それを私的に使うことも可能だ。レシートとしてはガソリンのプリペイドカードであればかなり受け入れやすい。

 バスなどのプリペイドカードを買って、それを現金に戻すという方法もあるようだが、限界がある。あまり多額を使うと怪しまれる。

5)文房具店などのレシート

 文房具は消耗品費として落としやすいもの。実際に必要なものはかなり限定されるので、文房具店などのレシートを集めるとそれなりの額になる。

6)事務所費

 家がある場合にはそこを事務所としてかなりの額を計上することができる。これはかなり実質的なものになる。舛添知事もこの手は使っていた。どのように使ったのかについてはそれほど厳しいチェックは入らない。とにかく形が整っていることが大切になる。

7)親しい支援者などの会社の活用

 これもかなり行われているようだ。広告代理店、デザイン、イベント、印刷などの会社に委託し、かなりの部分を戻す手法である。相当に親しい人の企業でなければ、危ない手法である。

 こうした点に注目されると政治家の事務所の多くは厳しいという。多くの政治家の事務所の台所はかなり厳しく、上記のような不適切な作業をしながらやりくりしているようだ。お金のかからない選挙制度を本気で作ることも必要だ。ただ、こうした手法はある意味、「セコイ」手法。本当のワルの政治家はもっと大きな不正を「合法的に」やってしまうという。本当に政治、そして社会を歪めているのは後者の政治家である。「セコイ」政治家の「セコイ」不正だけでなく、もっと大きな不正にいかにメスを入れるか。マスコミはもっとそちらに力を注ぐ必要があるようだ。