社民党、民進党に合流か~あまりに遅すぎた決断

(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 社民党が7月の参院選前の解党と民進党への合流を検討していることが日本経済新聞などで報じられています。吉田忠智党首が5月12日午前の常任幹事会で提案したものです。民進党の岡田克也代表に合流を打診していますから、相当に現実的です。

 いうまでもなく、社民党は日本社会党の流れを組む政党で、野党の中心になるといわれた政党です。歴代党首には首相にもなった村山富市氏や衆議院議長になった土井たか子氏らの名があり、それなりの存在感がありました。一時は、土井たか子氏、福島瑞穂氏、辻元清美氏ら活動的な女性を中心としたイメージのある政党として影響力がありました。しかし、徐々に議員数は減っていき、辻元氏らは民主党に移籍していきました。選挙ごとに議員数を減らし、政党としての体をなさないくらいにまでなりました。

 現在の国会議員はわずかに5名。衆議院議員は、沖縄2区の照屋寛徳氏と比例九州の吉川元の2人です。参議院議員は、今年改選の福島瑞穂氏と吉田忠智氏、2019年改選の又市征治氏の3人です。参議院議員はすべて比例の当選です。

 まずはこの夏の参議院選挙で、福島瑞穂氏と吉田忠智氏の二人が改選選挙です。吉田氏が党首で、福島氏が副党首です。どちらも落選するわけには行かない状況ですが、今の社民党で2議席の確保はほぼ無理です。なんとか1議席を確保できるかどうかというのが今の党勢。社民党の支持者が非常に高齢化していて、毎年、勢力が落ちています。選挙でも民主党の事務所では高齢の男性が数人活動しているという感じです。護憲や原発反対なら、もう少し若い世代を惹きつけることができそうですが、若い活動家はほとんどいません。知名度から福島氏だけが当選するというのが一般的な予想ですが、一議席も取れないという可能性さえある状態です。党首の落選だけでもダメージですが、党首と副党首の落選となると、政党の存続ができるかどうかの事態になります。

 衆議院選挙もあるかもしれません。しかし現有の2議席が確保できる保証はありません。3年後の参議院選挙では又市氏が改選ですが、現在、71歳。選挙時には74歳になります。出馬するかどうかも微妙な年齢になります。

 このように考えると、すでに社民党は終末を迎えつつあるといっていいでしょう。民進党への合流は生き残るための最後の手といえます。

 どうしてもっと早い段階、つまり党勢がある時に合流しなかったのか、と思っています。衆議院の小選挙区制のもとでは、小党は不利ということは分かったこと。せめて20~30名の議席があるときに民主党に合流していたらそれなりの存在感を示すことができたでしょう。政治は現実を変えなければなりません。民主党の中でリベラル派と一緒に一勢力を持っていたら、影響力はあったでしょう。おそらく様々な人間関係や「意地」もあったのでしょうが、結局それが、力を失わせることになりました。

 民主党の岡田代表は野党の連携を主張していますから、おそらく社民党が合流を希望するなら受け入れることになるのでしょう。福島氏には知名度を活かして、候補者がまだ不在の選挙区で立候補して欲しいところでしょう。

 それにしても遅すぎた決断と言えます。