パチンコ業界、逆風の時代~若者はパチンコ離れ

(写真:ロイター/アフロ)

パチンコの歴史はかなりあり、1930年に最初の店舗ができたといいます。第二次世界大戦の前後で空白があるものの、80年を超える歴史があるのです。ギャンブルであり、ギャンブルでないという特殊な形態を維持してここまでの一大産業となったのですから、すごいと言えます。戦後、パチンコ業界は順調に成長してきましたが、最近、逆風が吹いています。

パチンコ依存症の問題が顕在化しています。パチンコにより人生が狂わされた人はたくさんいます。幼児の車内放置の問題もありました。最気には不正改造も問題視されています。業界に対する締め付けはさらに強まると考えられます。そもそも「3店方式」という分かったような分からないような独特の仕組みでギャンブルでない、と言い張ってきたのに無理があります。厳しくルールを適応すれば、パチンコはシステムの根底から問題になりうるのです。特別課税の可能性もあります。パチンコ業界から北朝鮮への送金の問題もありましたから、さらに厳しくなるでしょう。

これとは別に若者のパチンコ離れがあります。こちらも大きな打撃です。いくつかの要因があります。

まず、スマホやインターネットのゲームの普及です。ほとんどお金がかからないで時間をつぶす方法が一般化したのです。SNSなどの普及もあります。一日中、スマホで過ごすという若者もいるようになっています。次々と新しいゲームも出ますので、ハマってしまえばパチンコをする暇がなくなります。なによりも、パチンコのようにお金もかかりません。

若年層が自由に使えるお金が少なくなっていることもポイントの一つです。学生も以前よりも生活は厳しくなっています。パチンコで数千円を使うよりも、もっと現実的な食事などに使わなければなりません。若い時にパチンコを覚えて、ずっと一生、パチンコと付き合うというスタイルがなくなっています。

大学は以前よりも講義の出席も厳しく、昔のように講義をサボってパチンコに耽けるという学生は少なくなりました。

今の若者は生まれてきてずっと日本が不景気な時期にいます。1990年にバブル経済が弾けてから、日本経済はずっと停滞したまま。今の若者はかなり現実的、保守的で賭け事をあまりやらないのです。挑戦するより、じっと地道な生活を続ける、というスタイルになっています。バブル時期のフィーバー文化はありません。パチンコで一攫千金ではなく、3000円でスマホの1ヶ月分を支払って、後は無料ソフトやSNSで楽しむ、というスタイルを好むのです。

パチンコ人口はどんどんと減っています。パチンコ店は一人あたりの収益を伸ばそうとして、不正に大当たりの確率を高め、小当たりの確率を低めました。依存性になりやすい形にしたのです。実際に、パチンコ人口は減っても、一人あたりの消費額(遊技料)はかなり上がっています。これがさらにパチンコの問題を深刻化させることになっています。

今の客層はますます高齢化しています。そこそこ裕福な高齢者がお金をつぎ込みましたが、だんだんとそうした層は少なくなっています。その高齢者もインターネットやスマホで時間を潰すようになっています。ビジネスは確実に縮小のスパイラルにあります。

パチンコ人口が減ると、パチンコは悪、というイメージがつきやすくなります。喫煙者が減ると喫煙は悪、というイメージが強くなるのとよく似ています。広告も規制されるようになりました。広告が少なくなれば、マスコミは一気に反対キャンペーンをやります。今は、広告料を確保するためにパチンコの批判はマスコミではほとんどありませんが、潮目が変わるのはもうすぐと考えられます。パチンコは完全に斜陽の産業となっています。いかに遊技性を高め、ギャンブル性を抑えながら新たな客層をつかむことができるのか。今のままだと、数年で「パチンコ不要論」が強く叫ばれ、法的なルール変更もありえるでしょう。パチンコ業界はこのまま廃れていくのか、新たな道を見出すことができるのか。はっきりしていることは今の道の延長には未来はないということです。