クリーンコール技術で日本は世界に貢献を!~環境対応型石炭エネルギーが地球を救う

(写真:アフロ)

石炭は汚い、というイメージが定着しています。確かに、煤煙を上げて燃えるイメージがあります。安いけど環境には悪い、というのが大方の見方です。私もそういうイメージで、太陽光発電や風力発電にこれまで魅力を感じてきました。しかし、この太陽光発電や風力発電も多くの欠点を持っており、環境負荷という点でも決して優等生とは言えない部分があります。しかも実際の社会では今なお化石燃料が主流です。この化石燃料をより効率的に使用し、環境に悪い排出物を除去していく技術を高めることは実践的です。

世界で石炭はエネルギーの3割程度をまかなっており、中国とインドの伸びが高いので、さらに割合は増える傾向にあります。中国もインドも凄まじいばかりの環境汚染があり、大気はスモッグで覆われます。その一因は石炭の大量使用にあると言われます。ここで問題なのは、石炭にあるというよりも、最新の環境技術で石炭を使っていないことにあります。単に石炭を燃やすだけだとSOx(硫黄酸化物)やNOx(窒素酸化物)といった合っく影響を与えるガスを大量に排出します。これでは環境破壊になります。

私は、石炭のクリーン技術はさらに進めることが出来ると思っています。この技術の開発にお金をかけ、持続可能なクリーンエネルギーを得ることは実践的な選択肢と思っています。この技術は他の化石エネルギーにも応用できる部分が多々あります。効率よくエネルギーをとることは、経済的にも環境保全の点からも意味があります。日本のクリーンコール技術はすでに世界のトップレベルと言われます。さらに精度を上げて世界のエネルギー問題と環境問題の実践的な改善を行うことができるはずです。

石炭は他の化石燃料と比べて豊富にありますし、価格も安いのです。この点は有利な点です。問題となるのは、SOx(硫黄酸化物)やNOx(窒素酸化物)などによる大気や水質汚染問題と、CO2の排出による地球温暖化の問題です。これは対応策は分けて考えなければなりません。前者においては、すでに技術的には確立されています。その精度をさらに上げることと、実際に普及することが課題です。排気ガスをきれいにすればするほど価格は高くなります。それを安くできるようにすることも技術革新の大きなポイントになります。福島原発事故のあと、原発がストップし、古い火力発電所が稼働されましたが、これは非常に環境に負荷がかかります。最新の環境技術の発電所にすれば、状況は大きく変わります。

CO2の排出に関してはまずは効率化を進めることです。10%ほどエネルギー化を効率よくするということは、10%ほどCO2の排出を抑えることにつながります。インドや中国では非常に重要なことです。まずはこの技術をさらに高めることです。石炭ガス化技術にも注目が集まります。石炭を燃焼させる前に二酸化炭素を回収できれば問題は軽くなります。石炭を直接燃焼させるのではなく、石炭をさまざまな成分に分解して燃料となるガスを取り出し、二酸化炭素を分離回収するならば、問題は小さくなります。またそうした石炭ガスは高温で燃えますから、効率もよくなります。

どうしても排出してしまうCO2については、分離・回収し、地中に封じ込める技術(CCS)が注目されています。どのくらいの期間封じ込めることができるかなどの研究は必要です。いずれは出てくる可能性がありますが、長期間封じ込めることができるなら意味があります。原発の放射性廃棄物を気の遠くなるような長い期間、地下に閉じ込めるのを考えるなら、はるかに簡単なこと。すでにできる段階にあります。

また石炭から水素を作る試みもあります。水素は環境エネルギーの切り札的な存在。トヨタも水素社会の実現を目標にしています。課題はいかに安く、大量に水素を作るか。川崎重工はオーストラリアで産出される褐炭から水素を生産し、世界初の液化水素輸送船を建造する計画を実施中です。自動車などの燃料電池の普及による水素市場の拡大を見込んています。

様々な石炭エネルギーの改善技術開発が行われています。石炭エネルギーの特徴は経済的で実践的であるということです。私は向こう20年はクリーンコールテクノロジーによる石炭の活用が最も現実的なのではないかと考えています。CO2は排出しますから、半永久的な対応策ではありません。しかし、この技術を徹底させるほうが、総合的にいってむしろ環境保全になるのではないかと思っています。「自然エネルギー」「再生エネルギー」のイメージに惑わされ、結局、持続可能でない環境破壊を含むエネルギー政策をとってしまうのも問題があります。冷静に判断していくことが大切です。