7月10日衆参同時選挙で動く政界~よほどのことがなければこの日程で決まりか

(写真:アフロ)

参議院選挙は今年7月に行われます。今のところ有力候補日程は6月23日(木)公示、7月10日(日)投開票です。夏ですから、土日は日本中、イベントが組まれています。国政選挙となると、全国の公民館や小中学校の体育館などが投票所に使われます。イベントで予約していた団体は変更を余儀なくされます。かなり大変なのです。ですからある程度、日程が「ほぼ決まり」という状態にして阿吽の呼吸で選挙日程を決めることが必要です。

衆議院解散総選挙も、あらかじめ前もってそれなりのシグナルが送られており、ほとんどの人が承知の上ての選挙となります。小泉純一郎政権の郵政民営化解散総選挙は、かなり不意打ち的なものでした。対応する側も大変でしたが、それだけに「サプライズ効果」は大いにありました。それは特別なケースであり、衆議院解散前には「解散するぞモード」が徐々に出来上がります。

まずは衆議院解散がこの夏にあるかどうかを考えてみましょう。いくつもの解散をする要素があります。

1.消費税増税論議を避ける 

消費税を増税してからの総選挙は明らかにリスクがあります。今年中に行っておきたいところです。

2.改憲論議を避けて、改憲に必要な議席を得る

改憲は安倍首相の一つの大きな目標です。ただこれが中心の論点になると、守勢に回されます。また公明党とのタッグにも綻びがでかねません。安倍政権ができるだけ焦点とならないようにして、なおかつ選挙では勝利を得たいと考えると、サミットが終わってすぐの解散総選挙が最もい良いのです。

3.伊勢志摩サミット

伊勢志摩サミットは5月26日、27日の開催です。その前後は、サミットがメディアを独占することになります。当然のことながら、野党はほとんど露出がありません。ホストは安部首相。確かにアベノミクスも停滞感があり、厳しい状況ですが、サミットでいくつかの提案もでるでしょう。実際にそれらの提案が動くかどうかは別にして、一定の期待感が生まれます。その期待感のもとに一気に衆参同時選挙が最も有効です。野党はほとんど何もできない状態になります。

4.衆議院選挙改革の前の総選挙

衆議院選挙の制度改革の必要性がでています。いわゆる1票の格差問題の解消です。小選挙区の定数を都道府県に配分する新たな手法として有識者調査会の答申が求めた「アダムズ方式」の導入が提案されています。7増13減の提案でした。しかしこれに対して自民党は安倍首相の指示を踏まえた議員定数10削減の基本方針を了承しています。しかしそれは有識者調査会の提案とは異なり、小選挙区定数を「0増6減」し、比例代表を4減らすとしたものです。こうなると間違いなく調整に時間がかかります。夏のタイミングで総選挙をすると、この改革を後回しにして、次の選挙からの改革をするという形になります。これで押し切れるだろうという読みです。

5.改憲のために

改憲の論議がほとんどない状態で、自民党が大勝し、改憲に賛成する自公らで衆議院で3分の2、参議院で3分の2を得るには、夏のドタバタの選挙がいいものと判断するでしょう。小泉郵政民営化解散総選挙でも、郵政民営化が問われたのに、その選挙での自民党大勝によって、安全保障問題などもすべて国民から自民党への委託があったということにされました。改憲のための環境を作るのにはこのタイミングが最高のチャンスと言えます。

6.安部首相の長期政権化

すでに安倍政権は長期政権となっています。ここらで衆議院解散総選挙をしておかないと、退陣要求が出てくる可能性もあります。そうなると改憲どころではありません。7月の同時選挙で大勝するなら、最大限あと4年の任期をベースにして、安倍内閣の政策を展開できます。安倍首相の健康問題も取りだたされます。今夏に一気に同時選挙で、信任を得てからの展開を考えるのは当然です。

7.秋の不安

人によっては、夏の同時選挙ではなく、夏は参議院単独選挙で、秋から冬にかけての衆議院解散総選挙を予想する人もいます。私は秋に世界的な経済不安が起きる可能性もあると思っています。そうすると選挙をしようにもできない可能性が出ます。伊勢志摩サミットの後に一気に衆参同時選挙が圧倒的に可能性があります。

具体的な日程は、現時点で参議院選挙で有力視されている6月23日(木)公示、7月10日(日)投開票でほぼ決まりでしょう。第190回通常国会(第190常会)の当初会期は、2016年1月4日(月)から6月1日(水)までの150日間です、6月1日に衆議院解散して、7月10日投開票の流れです。理論的には7月3日や6月26日も可能ですが、伊勢志摩サミットとの関係からするとほとんど無理でしょう。伊勢志摩サミットまでは安倍首相からは衆議院解散のほのめかしさえないかと思います。また国会会期を延長しての、7月17日投開票も考えられなくはないですが、7月18日は海の日で祝日。連休なのです。各地でイベントがすでに組まれています。さすがにこれを会場の関係から止めさせるのは厳しいです。7月24日も0%ではないにしても、児童生徒の多くが夏休みに入った最初の日曜日にぶつけるのもどうか。また伊勢志摩サミット効果も薄れます。

このように考えると、7月10日衆参同時選挙はかなりの確率で行われそうです。実際にすでに衆議院も選挙モードに入りつつあります。新党民進党にとっては新党になってから初めての大きな選挙です。ただ今でもそれほど新党ブームはありません。7月くらいには新党への期待感はさらに薄まっている可能性が高いです。伊勢志摩サミットによる勢いのもと、自民党の大勝となりそうな予感がします。とはいえ一寸先は闇の政界。何が起こるかわかりません。