韓国で若者の失業率がさらに悪化~働けない韓国の若者の動向

(写真:アフロ)

韓国の若者の失業率が問題となっています。全労働人口における失業率はやや高くはなりつつあるものの目立つほどではありません。しかし、15~29歳の青年層失業率は12.5%となり、相当に高い状態です。公式的な失業者に含まれない資格などの受験生、ニート族などを含める場合、実際の若年層失業者はもっと多いものと見られます。韓国では体感失業率という言い方をするようですが、その比率は20%とも30%とも言われます。韓国の若者は相当数が失業状態にあるのです。体感失業率は臨時的な雇用や日雇いのような不完全就業者のほかに、学習のためという目的で就職活動中であったり求職を断念した者なども失業者として含めて計算した雇用補助指標です。

朴槿恵政権になって6回にわたり青年雇用対策が出され、年間2千億円の予算を投じていますが、際立った成果はまだ見えていません。

なぜ、若者だけこれほど失業率が高くなるのでしょうか。

まず第一に、韓国の労働組合の強さがあります。企業が大きな赤字を出しても、賃上げや解雇拒否ということで、ストライキを敢行します。企業が潰れても構わないくらいの徹底した行動にでます。つまり、一度雇用した人員を解雇することが非常に難しいので、業績が悪化すると若い人材を雇用することは非常に難しくなるのです。韓国の企業はこうしたことから若者の正規雇用に二の足を踏む状態となっており、若者の失業率が上がっているということになります。

また、韓国のベビーブームとの関係もあります。日本では第二次世界大戦が終了してから一気にベビーブームが来ます。韓国では朝鮮戦争の終了から起きてますから、日本とは10年くらいのタイムラグがあります。定年が延びるなか、まだこのベビーブームの世代が労働人口に残っているのです。もう少しすると、彼らが退職してきます。そうなると徐々に若者の雇用も増えてくるかと思います。

これだけ若者の失業率が高いのですが、80年代後半から90年代前半にかけての若者の反乱はまだそれほどありません。これは韓国の若者がかなり「日本化」しとことと関係があると思います。個人的な興味を優先させ、社会問題にはそれほど興味を示しません。朴政権には若者は相当に批判的です。世論調査などからも明らかです。朴政権を支えているのは高齢者という結果が出ています。しかし、これが行動と結びつかないのが現在の韓国です。

ただこれだけ状況が悪化していますから、行動の兆しは出てきています。昨年、11月14日にはソウル中心部の光化門付近で、朴槿恵大統領を批判する大規模なデモ「民衆総決起大会」が開かれました。主催者発表では10万人以上の参加者です。(警察の推定は6万4000人)。これも組織的な集会とみるべきで、若者の自発的なものではありませんが、こうした行動は、若者の行動に火をつける可能性はあります。

まだ韓国の若者の方が日本の若者よりも政治には関心を持っています。こらから韓国がどのような方向に向かうのかは韓国の若者の動向が大きいのです。まあこれは日本にも言えることですが。。

日本の場合、ベビーブーム世代、つまり団塊の世代が50代になったくらいから、彼らの給料が高くなり会社経営が厳しくなりました。ちょうど不況が始まった頃です。団塊の世代が退職すると退職金の問題が出ました。これをやっと今、終えて、次のスタートにたっている状態です。韓国では今からそうした作業をしていかなければなりません。後、10年の厳しい時期があります。

韓国の若者を日本の企業に雇用するという提案もあります。相当に優秀な若者もいます。日本の企業にとってもプラスになることだとは思います。人材が企業の将来を決める、国の将来を決める、というのは基本です。この方向も考えてみるのもいいかと思います。