北欧の幸せはラーゴムとヒュッゲの発想から~ほどよい心地よさが北欧の幸せ

(写真:アフロ)

世界の幸福度ランキングがあります。Ranking of Happinessというもので、国連の「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク」が出しています。調査対象は158ヵ国で、国民1人当りの実質GDP(国民総生産)、社会保障、健康寿命、人生選択の自由度、寛容度、汚職度、政治的自由度などから割り出し、各国の幸福度としているとのことです。「幸福度」というのは実際にははかりにくいものです。個人でも朝と夕では大きく変わることもありますね。ここでは主観よりも社会的な枠組みということでしょうが、指標の取り方によってかなり結果は異なります。

2015年度のランキングを見てみましょう。1位スイス、2位アイスランド、3位デンマーク、4位ノルウェー、5位カナダ、6位フィンランド、7位オランダ、8位スウェーデン、9位ニュージーランド、10位オートラリアとなっています。ちなみに日本は46位です。

上位には北欧諸国が軒並みランクインです。社会保障や医療制度の充実など高くなる要素が北欧には揃っています。アイスランド、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、スウェーデンなど素晴らしいですね。私はこうした平等主義に基づいた社会制度を作ったのには北欧的な発想が影響していると思っています。

スウェーデンで「特別な言葉」として使われるのが、Lagom(ラーゴム)という言葉です。これは「強くも弱くもない、ちょうどいい」という訳になるのでしょう。穏健、中庸といった感じです。彼らの発想からすると、大金持ちになるのが目標ではなく、ほどほどに働き、ほどほどに稼ぎ、ほどほどに余暇を楽しむ、というのが「幸せ」ということになります。スウェーデンはほどほどの社会を作ってきたとも言えます。誰にとってもほどほどにするのですから、税金の高い福祉国家が誕生するのです。働いたら、湖の傍でキャンプをして魚釣りで余暇を過ごす。こうしたことを誰もができる社会を目指したと言えます。

デンマークではHygge(ヒュッゲ)という言葉があります。発音は結構難しく、飲み込むようなヒュという発音に喉の奥の方で音を出すゲとなります。 とりあえずここではヒュッゲとしておきましょう。これは「温かな心地よい雰囲気、天気」を指す言葉です。日本語でいうなら秋の小春日和や春うららという感じでしょうか。そうなのです。小春日和や春うららの感じがデンマーク的「幸せ」といえるのです。ちょうどいい空間が天気でも、人間関係でもできることがいいことです。すごい上流階級もなければ、貧困階層もない社会ができたのです。デンマークでは王女が自転車でスーパーに買い物に行って買い物をします。普通に生活をしています。福祉の充実で貧困階層も限定的です。これが幸福度ランキングで上位にくる社会システムとなったのです。

ラーゴムとヒュッゲの発想が北欧的社会を作り上げたと言えるのではないかと思います。アメリカはアメリカンドリームの国。とんでもない金持ちもいれば、ホームレスもたくさんいる国です。日本はラーゴムの国でしたが、徐々にアメリカ的になっています。

どの方向性を目指すのか。幸せとは何か。考えさせられますね。

ちなみに北欧はかなり退屈ではあります。その退屈さを楽しむという「慣れ」も必要です。