アメリカ大統領選挙、共和党予備選~運命を決める3月15日決戦

(写真:アフロ)

アメリカ大統領選挙に注目が集まりつつあります。こんなに延々と行う選挙は考えられないです。注ぎ込む資金も人の数も想像を絶するものです。日本の選挙は金がかかると言いますが、アメリカの選挙に比べれば「健全」にみえてきます。アメリカの大統領選挙は4年に一度のカーニバルという感じさえします。ほぼ1年をかける選挙です。なにか、ロスも大きいような気はしますが、なにはともあれ、世界の注目を集めることは確かです。

現在行われている民主党と共和党の予備選挙ですが、民主党はクリントン氏でほぼ決まりという感じです。よほどのこと、例えばメール事件で特別な展開になるとか、がなければ、まず問題ないでしょう。サンダース氏が予想以上の健闘をしたことで、民主党の予備選にも国民の関心が集まったというところです。獲得代位議員数もクリントン氏が大幅に上回っており、逆転はまずありえない状態です。

問題は、共和党。トランプ氏が予想をはるかに上回って強さを見せつけています。マイノリティに対する差別的な発言があれば、ちょっとしたことでも政治生命を失いかねないのがアメリカ、と思っていたのですが、度重なる問題発言にも関わらず、トランプ氏は今でも共和党候補のトップにいます。マイノリティホワイトと言われる貧困な白人の鬱憤が爆発しているような気がします。全く予想できなかった展開です。

ではトランプ氏で決まりか、といえばまだそうは言えません。3月15日のフロリダ、オハイオなどの「大票田決戦」の結果がかなりを決めます。この二つの州は、勝者総取り方式。1位でなくてはダメなのです。

現在の獲得代議員数は以下のとおりです。

ドナルド・トランプ氏  460

テッド・クルーズ氏 370

マルコ・ルビオ氏 163

ジョン・ケーシック氏   63

確かにトランプ氏が優勢ですが、残りの3人の獲得代議員数を合わせると596となり、トランプ氏の獲得大委員数を136も上回ります。トランプ氏に対する支援も高まりますが、拒否反応も強くなっています。共和党大会でトランプ氏が過半数を取れなければ、残りの連合が組まれる可能性があります。ルビオ氏ならまとまりやすいのでしょうが、この際、クルーズ氏にまとまることも考えられます。あるいは、全く別の政治家、例えばミット・ロムニー氏などが担がれるケースも考えられます。ロムニー氏は年齢も高いので、まだ若いクルーズ氏やルビオ氏が乗りやすいということも考えられます。

いずれにしても、こうしたケースはトランプ氏が過半数の代議員を獲得できなかった場合に考えられることです。15日のオハイオ州とフロリダ州が注目されるのは、オハイオ州はケーシック氏の牙城であり、フロリダ州がルビオ氏の牙城であることと、1位が代議員を総取りするルールだからです。オハイオ州では66人、フロリダ州では99人の代議員を獲得できます。この二つの州の両方でトランプ氏が勝利するなら、一気に勢いを増して、過半数の代議員を獲得する流れになります。両方を落とすことになれば、おそらくトランプ氏は共和党の公認候補者になれないということにつながるでしょう。

今、世論調査などでいわれているのは、オハイオ州ではケーシック氏がトランプ氏に勝利し、フロリダ州ではトランプ氏がルビオ氏に勝利するというもの。ルビオ氏はここで負けると、選挙戦から降りることになる可能性が高いでしょう。この場合には、その後はトランプ氏対クルーズ氏の一騎打ちとなります。私は、対トランプ氏でひとつにまとまるなら、クルーズ氏が結局、勝利するとは思います。

トランプ氏にとっても重要な決戦です。オハイオ、フロリダの両方で勝利することが求められます。かなり微妙な戦いになってきました。

お金も時間もかかるアメリカ大統領選挙。でもこれくらい人々の関心が集まるというのもいいことと言えるでしょう。日本の首相選のように密室で決まるのよりははるかに良さそうです。