北朝鮮崩壊後のシナリオ~南北統一のシナリオだけではない

(写真:アフロ)

 北朝鮮が本格的な制裁も始まり、厳しい状況に置かれます。2500万人程度の国で、主だった産業もない状態で、核兵器を保有し、軍事政権を維持するとなると、いずれかの時点で崩壊します。そうならないように支えているのが中国。北朝鮮の最後の守護神は中国となっています。最近はその守護神の言うことも聞かないこともあるので、守護神の怒りもかうことがあります。

 では、その守護神が守りきれないと判断したときはどうなるのでしょうか。つまり北朝鮮崩壊の時のシナリオを考えるということです。

 韓国の人を含めて多くの人は、朝鮮半島の統一をイメージします。実際にその構想は韓国でも北朝鮮でもありますから、そうなるのではないかと思うのは当然です。ただ、韓国がイメージするのは韓国が主導で統一するパターンであり、北朝鮮がイメージしているのは北朝鮮が主導で統一するイメージです。北朝鮮にとって近い国は韓国ではなく中国です。北朝鮮主導での統一でなければ、南北統一の選択肢はありえません。中国もアメリカの影響を残した上での南北統一は容認できるものではありません。アメリカ支配下の統一朝鮮と国境を接するのは明らかに問題です。

 私は大きく言って、3つのシナリオがあると思っています。

1.今の北朝鮮の幹部を総入れ替えで、完全親中国の新北朝鮮をつくる

2.北朝鮮を中国に併合

3.南北統一を認めるが、親中の統一国家にする

 私は3のシナリオも検討したのではないかと思っています。朴大統領の動きを3のシナリオと重ねると理解できます。しかし、これは韓国の現状を反映したものとは言えません。今でもアメリカ軍は韓国にいますし、韓国にとってアメリカはやはり重要な国。朴大統領も徐々にアメリカ路線に舵をとりつつあります。 中国からすると、朝鮮半島はもともと中国の領土。当然、朝鮮半島は中国の支配下になるべきものという感覚はあると思います。しかし、現在の国際政治状況を踏まえると、このシナリオは中国にとってリスクが大きいものです。結局は親米の統一朝鮮ができるかもしれないのです。

 最もありうるのは1のシナリオ。北朝鮮が言うことを聞かないのであれば、言う事を聞く北朝鮮にしてしまうというものです。崩壊に近い状況にさせて、完全に中国支配下の北朝鮮を作るのです。企業で言えば完全子会社化です。

 それが難しいとなれば、2の選択。企業で言えば完全な吸収合併です。ただ、アメリカの息のかかっている韓国と接することになり、緩衝地としての北朝鮮を失います。デメリットも大きいのです。ただ、超至近距離からソウルをターゲットにすることとなり、韓国へのプレッシャーも強くなります。韓国が親米で行動しにくくすることができます。いずれは朝鮮半島全体を吸収したいという考えがあるなら、ありうるシナリオです。

 北朝鮮崩壊は必ずしも朝鮮半島統一には繋がりません。韓国も、アメリカも日本も、このことを踏まえたうえで未来構想を考えるべきです。