強まる中国の宗教弾圧~国際社会で孤立化する可能性

(写真:アフロ)

中国で宗教弾圧が問題化しています。共産主義においては「宗教はアヘン」という視点があり、宗教に対しては厳しい態度をとるところもあります。中国は相当に厳しく宗教弾圧を行ってきた国です。最近、宗教と反政府運動とが結びつく傾向があり、さらに厳しさを増しています。まあ、宗教弾圧を強めるから反政府運動化するともいえるのですが。。鶏が先か卵が先かは分からなくても、結果として宗教弾圧の傾向が強まっているようです。

世界的にも知られてきたのはチベット仏教に対する弾圧です。中国がチベットに侵攻したのは1951年。チベット仏教を中心として社会・文化が作られてきた地域ですが、このチベット仏教は厳しい弾圧にあいます。寺院の多くは破壊され、教典も焼かれました。チベット仏教の僧侶や信者に対する拷問なども行われ、世界的にも報道されました。この弾圧は今でも続き、ダライ・ラマ法王は世界にこの弾圧の不当性を訴えています。

最近注目されたのは法輪功。1990年代に入ってから法輪功の学習者が爆発的に増えます。法輪功が反政府的志向を持っていたとは思えないにしても、増え続ける「学習者」という信者に政府は脅威を感じたのではないかと言われます。この法輪功は邪教として徹底的な弾圧を受けます。

そしてウイグル人地域での宗教、文化の弾圧が問題化しています。この地域はイスラム教徒が多い地域です。ウイグルでの独立運動などもあり、ウイグル人の宗教・文化への弾圧を強めています。これに対する反抗は「テロ活動」と位置づけ、取り締まりを強化しています。

最近、さらにキリスト教の弾圧も問題になっています。キリスト教教会の屋根に取り付けられた十字架を強制撤去したり、撤去に抗議する信徒を相次ぎ拘束したりするなど抑圧したりなどが行われています。これはキリスト教徒が中国で急増し、一つの社会グループになろうとしてることが脅威とみられているのです。中国経済の急成長は貧富の格差をうみました。精神的な救済を求める人が急増しているのです。中国社会における宗教の役割はますます重要になっています。

中国共産党は宗教グループが反政府運動につながることを恐れて、宗教弾圧をしているのでしょう。しかし、これは国際社会においては非常に大きなマイナスになります。ノーベル平和賞を受賞しているダライ・ラマ法王の活動は中国政府への打撃になります。イスラム社会も反発してきます。それにキリスト教社会、つまり欧米社会も中国政府に対する不信感を強めると、国際社会からの孤立を招きかねません。昔の中国であれば、国際社会からの孤立も恐れないという姿勢も出来たかもしれません。しかし、これだけ世界経済の枠組みのなかに入った今、その選択肢はないはずです。

国内秩序を優先させると、中国は経済においても国際政治においても、国際社会から厳しい反発を受ける可能性があります。宗教との共生をどのようにするか。中国のこれからの大きな課題になりそうです。これがうまくできなければ、中国の成長は一気に止まる可能性が高くなると思っています。 開かれた社会は、国際社会の中での活動においても重要になってきています。