高校生の政治活動に届出制を文科省が容認~政治・社会問題を知らずして選挙権だけを与えるというのか

(写真:アフロ)

若者の政治への関心が低下していることが問題になっています。その解消の一助として、選挙権年齢を20歳以上から18歳以上に引き下げる改正公職選挙が可決され、今年の参議院選挙から適応されます。

しかし、文部科学省は高校生が、休日や放課後に校外での政治活動に参加する場合、事前に学校に届け出させることを認める見解を示しました。選挙活動を制限するというのならまだわかります。しかし、政治活動を届出制にするということは、実質的に政治活動を行うのが相当に制限されることになります。今後、届け出制を導入する学校が出てくるでしょう。県によっては届出制をベースにするところもありそうです。

そもそも政治活動とはどのように定義するのでしょうか?テーマでしょうか?形式でしょうか?

国会はまさに政治の場。国会で扱うテーマを政治活動のテーマとしましょう。生活のほとんどのテーマがカバーされています。先日はSMAPの解散騒動が国会で質問されていました。それさえ政治のテーマといえばテーマ。原発や安保法制から、教育、文化、スポーツ、食事などもすべて政治が関わるテーマです。大型スーパーを推進するのかどうかも、文化団体への補助金をどうするか、高校の教育の補助費をどのくらいにするのか、などもすべて政治が関わる問題です。こうしたテーマの勉強会があるとしましょう。それは政治活動ですか?そうではないのですか? ほとんどがグレーゾーンになります。政治は社会的な問題のほとんどすべてに関わるのです。だから大切なのです。

政治活動の参加に前もっての届出が必要になると、相当な自己規制作用が働きます。若者が政治に関心を持たないのが問題化しているのに、その解決どころかさらに政治離れを促すような事態になりかねません。

若年層の投票率は非常に低くなっています。選挙権年齢を下げてもこの傾向が変わるとは思えません。若年層が、日頃から社会問題、政治問題に関わり、関心を持つことが必要なのです。このように考えると、政治活動に規制の要素を入れることは大きな間違いであるとわかります。政治活動の定義も恣意的になりかねません。自然エネルギーの勉強会はいいけど、反原発の要素が入るとだめ、とか、軍事問題の研究会はいいけど、反安保や反自衛隊の要素が入るとダメとかの可能性もあります。エネルギーの勉強会や軍事の勉強会などはどのようなものでもすべてダメ、ということもあるかもしれません。

教育の原点はとにかく問題への関心を持たせること、高めること。そのためには現実の社会への関わりがかかせないはずです。確かに選挙活動をするのは行き過ぎと思います。公職選挙法が規定するような選挙活動は規制していいでしょう。しかし、政治について語り合うことはむしろ推進すべきことだと思っています。

日本をより良くすること。世界をより良くすること。これが政治の基本になります。若者もそのための志を高く持って欲しいと思います。