アメリカ大統領選、共和党の予備選挙の情勢~トランプ氏にクルーズ氏とルビオ氏が挑む

(写真:アフロ)

アメリカ大統領選挙に向けての予備選挙がいよいよはじまります。2016年2月には二つの州で予備選挙が行われます。アイオワ州党員集会は民主党が2月1日、共和党が2月2日です。ニューハンプシャー州予備選挙は2月9日に予定されています。3月1日はスーパーチューズデーで、多くの州で予備選挙が実施されます。6月まで順次、予備選が行われていきます。7月の党大会で候補者が指名され、11月8日に大統領選の投開票となります。

民主党はヒラリー・クリントン氏が優位な展開を続けていますから、おそらくこのまま指名になるのではないかと思います。難しいのが共和党。予期していなかったトランプ氏が今でも快走を続けています。いずれは落ちていく、と考えられていた候補者ですが、今でも勢いはとどまりません。問題発言も多く、イギリス議会は、イスラム教徒の入国禁止などを提案したアメリカ共和党の大統領候補トランプ氏をイギリスへの入国を禁止すべきか審議を行うまでになっています。実際にトランプ氏がアメリカ大統領になったら、相当な混乱が予想されます。

さて、 共和党の候補者の現在の状況です。

12月4日に発表された『CNN/ORC』世論調査によれば、共和党の候補者はほぼ4人に絞られてきています。11月27日~12月1日に行われた世論調査です。トランプ氏が36%、クルーズ氏が16%、カーソン氏が14%、ルビオ氏が12%となっています。前回(10月14日~17日)の調査では、トランプ氏は27%、クルーズ氏は4%、カーソン氏は22%、ルビオ氏は8%でした。カーソン氏は前回よりも大きく支持率を下げています。

私は実質、トランプ氏、クルーズ氏、ルビオ氏の3氏の戦いになると思っています。クルーズ氏とルビオ氏は前評判も高かったのですが、正直、トランプ氏がここまで高い支持率を維持するとは思いもよりませんでした。

『CNN/ORC』世論調査で非常に興味深い結果が出ています。大卒の共和党支持者を見れば、支持率トップはクルーズとルビオの両上院議員で、ともに19%でした。トランプは1ポイント差を付けられて3位になっているのです。トランプ氏は、高卒以下の共和党支持者の圧倒的な支持を受けているのです。白人の労働者階級の不満からの支持をトランプ氏は受けていると言えるでしょう。

経済政策、違法移民に対する政策、ISISへの政策などすべてにおいてトランプ氏は高い支持を受けています。 トランプ氏が失速するハズと思っていた私も、ひょっとしたら、と考えるようになっています。共和党の予備選では右寄りの硬派が有利で、本選になるとリベラルな右寄りがいい、といわれます。共和党の予備選をトランプ氏が勝ち上がる可能性はあります。本選となるとクリントン氏の方が安全、ということで、クリントン氏に有利な展開になるでしょう。ただ本当にそうなれば、ブルームバーグ氏が第三の候補として出馬して、台風の目になるかもしれません。

注目なのは2月のアイオワ州とニューハンプシャー州での予備選です。トランプ氏が勢いを持続するには、この二つの選挙でともに1位をとることです。最初のアイオワ州の結果は特に重要です。フォックス・ニュースが発表した調査結果によると、アイオワ州では、1位はクルーズ氏で28%、2位がトランプ氏で26%、3位がルビオ氏で13%、4位がカーソン氏で10%となっています。ここでは若干ですがクルーズ氏が上回っています。もしクルーズ氏がアイオワ州で1位となるなら、トランプ神話が一気に崩れていく可能性もあります。ルビオ氏が生き残るにはここで3位に入ることです。アイオワ州での共和党党員の予備選挙は接戦になるでしょう。それがこれからの大統領(予備)選の展開を大きく左右しそうです。

私の予想は、クルーズ氏がアイオワ州での予備選を僅差の激戦を制して、クルーズ氏を中心した予備選の流れになるというもの。途中からルビオ氏が台頭し、最後は一騎打ちというシナリオです。しかし今回のアメリカの大統領選にむけたトランプ氏の人気ぶりはそうした予想を覆す迫力があります。予想が外れるかもしれません。非常にわかりにくい状態です。