「廃棄」冷凍カツの転売の驚きと不安~徹底した調査を!

冷凍ミンチカツ(今回の事件のものではありません)(写真:アフロ)

カレーチェーン大手「CoCo壱番屋」を運営する壱番屋が廃棄を依頼した冷凍カツが、不正に横流しされたことがわかり、大きな社会問題として取り上げられています。食品偽装や不正はこれまでにも問題となりました。

赤福餅の消費期限偽装問題や石屋製菓の「白い恋人」の消費期限偽装問題は大きなニュースとなり、今でも記憶にあります。船場吉兆が産地偽装や賞味期限偽装に加え、食べ残しの再提供などをしたことも老舗料亭の不正でしたからインパクトの強いものでした。

今回のケースは、これまでのものよりもはるかにタチが悪いものです。問題となったビーフカツの不正転売品は工場で使用しているナイロンを主成分とする合成樹脂性の部品が混入した可能性があるため全ロットを廃棄したものです。ですから消費期限うんぬんという話ではありません。廃棄物処理業「ダイコー」は転売など許されるはずもありません。またその他の食品にしても、「廃棄物」として扱われたもの。つまり、適切な冷凍がされていない可能性が高いのです。温度管理がなされていなければ、消費期限は適応されません。冷凍食品が数日、室温に置かれ、また冷凍されたのでは、食の安全は確保できません。つまりどういう状態にあったのか不明の食品が横流しされたのです。健康被害にも及びうる問題です。

第一の問題は、廃棄物処理業「ダイコー」の行為にあります。廃棄を依頼された食品を転売しているのですから完全に問題です。これがどこまで常態化していたかがポイントになります。

次には、その「廃棄」食品を扱っていた食品卸売業「みのりフーズ」も調査の対象になります。そもそも廃棄物処理業の会社から食品を買うことが自体が問題といっていいでしょう。「みのりフーズ」は廃棄食品という認識はなかったとしています。しかしこれまでの調査で、製造元のシールを変えているケースもあるようで、さらなる解明が必要です。壱番屋製の冷凍カツ以外に、多くが賞味期限切れだった炭火焼き鳥ももやビンチョウマグロ、骨付きフライドチキン、ゴボウの空揚げが発見されています。賞味期限切れのものが多くあったと報道されています。ラベルが張り替えられるなどしたら、冷凍食品は見分けが付きにくものです。真相究明が待たれます。

そして最大の問題は、こうしたことは他でも起きているのか、です。もしこれが氷山の一角であったら、食品流通の根幹が壊れます。愛知県は、食品メーカーなどから市場に出せない食品の処理を委託されている県内53の産業廃棄物処理業者を対象に、一斉に廃棄物処理法に基づく立ち入り検査を始めました。すでにニュースで流れていますから、もし不正があったなら隠すための手は打っているかもしれません。

産廃業者が、廃棄食品を横流しにするということは想定があまりなかったのでしょう。冷凍食品や加工食品は、可能性があります。形を変えて食品の原料になるということも考えられます。今回の事件は驚きであるとともに怖い話です。中国のそうした事例はよく紹介されますが、日本でも似たことが起こっているとは。愛知県だけでなく、全国で調査をし、こうしたことが起こらないようにしてもらいたいものです。

ちょっと注目したいのが壱番屋の対応。廃棄食品が市場に出回っている可能性を把握してから非常に早く対応をしています。自らのブランドを傷つけるリスクがありながらも、素早い対応をしており、評価が下がっていません。株価もほぼ同じ状態で推移しています。食品を扱う企業としての対応の徹底があるのでしょう。今後の参考になるかと思います。