従軍慰安婦問題の解決はあるのか~12月28日に日韓外相会談

 慰安婦問題は、日韓関係において常に問題となる課題でした。特に朴大統領になってからは、この問題は主要テーマといってもいいくらい重要な課題となりました。これが解決できなければ日韓関係の改善はない、という姿勢を貫き、日韓関係は最悪とも言える状態になっています。

 この状態が急転する可能性が出てきました。急遽、12月27日に外務省局長協議をソウルで開催し、28日には外相会談が開かれます。本格的な解決に向けて動きが活発化しています。

 しかし、日韓の主張には平行線とも言える隔たりがあります。この隔たりを埋めて、合意ができるのかどうか。微妙な状況にあります。慰安婦問題は朴大統領にとっては最重要課題といっていほどのもの。安易な妥協はできません。安倍首相にとっても原則を曲げての妥協はできない状況です。それゆえに会議さえ開かれないくらいの難問であるのです。ポイントを整理してみましょう。

1.日韓基本条約で慰安婦問題は解決済みか?

 1965年に「日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約」、通称日韓基本条約が結ばれました。

第2条1項「両締約国は、両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産、権利及び利益並びに料亭役国及びその国民の間の請求権に関する問題が、1951年9月8日にサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約第四条(a)に規定されたものを含めて、完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。」

第2条3項「2の規定に従うことを条件として、一方の締約国及びその国民の財産、権利及び利益であつてkの競艇の署名の日に他方の締約国の下にあるものに対する措置並びに一方の締約国及びその国民の他方のて嫌国及びその国民に対するすべての請求権であつて同日以前に生じた事由に基づくものに関しては、いかなる主張もすることができないものとする。」

 日本はこの日韓基本条約をもとに、既に問題は解決したという姿勢をとっています。韓国は慰安婦問題は請求権協定の対象外で、解決していないという立場をとっています。

 これは基本的なスタンスの問題ですからお互いに譲歩しにくい点です。日本が人道的な立場からの特例として、今回の合意が最終解決であるということを明記することを条件に、歩み寄るという感じになるのでしょうか。

2.国家が関与していたか?

 これも重要なポイントになります。日本は、従軍慰安婦はあくまで「民間」の売(買)春婦事業であると主張します。ですから国家が補償するというのはおかしいというのです。韓国は、従軍慰安婦には日本が国として関わっており、日本は国として謝罪し、補償すべきだと主張しています。これも妥協点を見つけにくい点です。今回の日本案では、国が基金にお金を出すということで、妥協点をみつけようとしています。明確に国家が関与したとは言わずに、国がお金を出す、ということで、韓国は妥協するのかどうか。どちらかがさらに歩み寄らなければ合意には至らないかもしれません。

3.元慰安婦支援の基金の規模

 1995年に民間の主導で「女性のためのアジア平和基金(アジア女性基金)」が設立されましたが、韓国では元慰安婦支援団体の反発があり、不評でした。今回は韓国政府も拠出するということで、こうした反発を避けようとする案が浮上しています。ただ、日本が拠出する額についてはかなり思惑に相違があります。日本は1~3億円程度を考えているのに対して、韓国は10~20億円を想定していると言われます。ただ、これだけ注目を集める課題ですから、拠出額としては日本はかなり上乗せすることは可能でしょう。仮に10億円以上となった時にどういう使い方をするのか、注目されます。慰安婦の資料館や研究機関の設立にも繋がるかもしれません。これを日本が認めるかどうか、です。

4.安倍首相の謝罪の方法と内容

 相当に注目されるのが安倍首相のこの慰安婦問題での謝罪の方法と内容でしょう。日本側はあくまでも人道的な立場からの個人としてのお詫びと遺憾の意を伝えることにしたいでしょう。韓国側はさらに踏み込んだ謝罪を求めるでしょう。どの程度の謝罪文、謝罪の言葉で合意することができるのか。かなり重要なポイントになります。

 この4点がポイントと言えます。乗り越えて乗り越えられない山ではないですが、なかなか乗り越えにくい山とも言えます。日本も韓国もどこかで妥協点を見つけなければ永遠に続く課題です。28日に一気に進む可能性もあります。結局は暗礁に乗り上げ、元の木阿弥となる可能性もあります。日本にも韓国にもハードルは高いテーマです。この数ヶ月で一気に進まなければ、朴大統領の政権下では解決しないということにもなりそうです。

 韓国も経済低迷もあり、なんとか日本との関係は改善したいはずです。28日の展開は注目です。