大阪副首都推進本部が設立へ~道州制も踏まえた日本全体の構想が必要

(写真:アフロ)

 大阪は副首都を目指すという。大阪維新の会は11月の大阪府知事選挙と大阪市長選挙のいわゆるダブル選挙を制しました。大阪都構想に関してはすでに住民投票で否決されていますから、今度は副首都にしようというようです。中央官庁の大阪移転などを柱とする「副首都ビジョン」を取りまとめる「副首都推進本部」が12月28日に立ち上がります。

 確かに東京一極集中は問題があると指摘されてきました。だからこそ、首都機能移転が1990年代に真剣に議論されたのです。1992年には「国会等の移転に関する法律」が成立し、災害やテロによる都市機能崩壊のリスクを分散させるためにも都市機能移転の可能性が探られました。1999年には「国会等移転審議会」が「栃木・福島地域」「岐阜・愛知地域」「三重・畿央地域」の3地域が候補地として挙げられました。選定の要件の一つとして挙げられたのが、大都市でないこと、でした。地方再生のシンボル的な意味も持たせるという発想でした。

 大阪のような大都市は条件から外されていたのですが、「副首都」としていきなり首都機能の一部を移転させようというのですから、かなり無理はあります。あれだけ時間と予算をかけて選定したことを覆そうというのです。リニアも通るということになれば、名古屋も副首都に立候補する資格があります。災害等から避けるというのであれば、福岡や札幌もありえます。いずれにしても、大阪が手を挙げて、すぐに決まる、というものではないでしょう。

 海外でも首都機能が分散している国はかなりあります。三権分立という視点から、行政、立法、司法の機能を分けている国もあります。特に司法は別の都市にあることがあります。90年代の首都機能移転計画はまさにこれを実行しようというものでした。大阪の副首都構想は、ここは曖昧です。いざという時のスペア都市というものでしょうか?西日本を統括する都市という構想でしょうか?具体的なイメージがなかなかわかりません。

 私は、将来に道州制を構想するなら、その準備として副首都を設定するのはありうると思っています。札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡などを副首都として、県庁よりも大きな役割を担わせるのです。道州制となれば、そうした都市が州都となります。国の機能を地方に分担させるということは意味あることになります。

 東京にもしものことがあった時に代りとなるくらいの都市に大阪をしようとするのは、並大抵のことではありません。それだけの投資をしていくには、かなりの議論が必要とされます。これを、憲法改正の支援とバーターにされるのでは、あまりに計画性がないことになります。東京一極集中からの脱皮に同意する人は少なくありません。しかしそれをどのように進めるかは、なかなか合意がとれないものです。大阪服首都構想が、日本全体の将来構想のなかで、しっかりと議論されていくことを望みます。二重行政の解消とは別の論点のように思います。