高校生の政治活動が容認へ~学校への届出が必要となると課題は残る

(写真:アフロ)

 高校生の校外での政治活動はどうあるべきか。かなり重要な問題です。

 これまで、高校生の政治活動は事実上禁止されてきました。2016年の参議院選挙から選挙権年齢が18歳に引き下げられることを受けて、文部科学省は高校生の政治活動を校外では容認する通知を出しています。問題は「政治活動」はどういうものを指すのか、です。これまで「事実上禁止」といわれながらも、講演会に行ったり、勉強会に参加したりは曖昧にされてきました。デモに参加しなければ取り立てての問題視されないという状態が多かったでしょう。これが容認されることで、かえって問題が顕在化する可能性が出てきました。

 毎日新聞は「文部科学省が10月の通知で新たに認めた『高校生の校外での政治活動』について、宮城、愛知など6県と横浜など3政令市の教育委員会が、デモや集会に参加する際に学校へ届け出させるかを検討していること」を報じています。

 私が問題となると考えるポイントは「政治活動」の定義です。選挙活動なら、かなり明確に区分できます。しかし政治活動となると、相当に広い定義も可能になります。ほとんどの社会活動は政治に関わります。「日本の教育を考える」という講演会もも政治活動にはいる可能性もあります。アメリカ文化、韓国文化、中国文化を学ぶことも政治活動に入れられるかもしれません。平和の活動や戦争体験を継承する活動なども政治活動に含まれると言われるかもしれません。環境保護の活動や人権保護の活動も入る可能性があります。政治家の話を聞く会などはほぼ完全に「政治活動」に入るかと思います。ボランティア活動やNPO活動なども政治活動の延長ともいえなくはないものです。

 デモや集会とありますが、講演会なども集会に入るのかどうか。おそらく入るのでしょう。

 若い時から社会問題に関心を持ち、社会をどのようにすべきかを考え、行動する力を持つことは重要なことと思っています。ヨーロッパの教育ではこうしたことはむしろ推奨されていました。中学生や高校生が政治家と議論したり、活動家と議論したりして、社会について学んでいきます。環境保護活動や平和活動などに直接的に関わり、何が課題で、どうすべきなのかを学ぶのです。

 日本で高校生が政治活動をしたら届出をする義務となったら、様々な活動が自粛されることに繋がるでしょう。「政治活動」をかなり明確に定義するなどしなければなりません。社会活動のほとんどは政治活動でもあるのです。 「高校生の政治活動を校外では容認する」ことがかえって事実上の活動を制限することにならないような配慮が必要です。