台湾総統選挙が告示~民進党政権は日中台の関係をどう変えるのか?

(写真:アフロ)

 2016年1月16日投開票の台湾総統選挙が告示され、正式に選挙戦が始まりました。与党・国民党の朱立倫主席、最大野党・民進党の蔡英文主席、野党・新民党の宋楚瑜主席の3人が立候補しています。今のところ民進党の蔡英文主席が他をかなり離して独走態勢です。よほどのことがなければこのまま蔡英文主席が台湾総統になると思われます。ただ、台湾の総統選挙は何があってもおかしくないほどの熱気になります。2004年の総統選挙では台南でパレード中に陳氏が銃撃を受けて負傷するという暗殺未遂事件もありました。これは自作自演ではないか、との疑惑が持たれました。結局、この事件があったので、陳氏は総統選挙に勝ったのです。

 民進党の蔡英文主席が総統になるとすると、黙っていられないのが大陸の中国です。関係がギクシャクする可能性は大いにあります。それだけになんとか大逆転をしてもらいたいところ。何かがある可能性は0ではないというところでしょう。

 そうした大事件は起こらないとして考えれば、関心の焦点は立法委員(国会議員)選挙に移っています。民進党が単独で過半数を獲得できるかどうかの瀬戸際です。陳総統時代には議会は野党が多く、運営が厳しい状況になりました。今回、蔡英文氏が総統になったとき、民進党が単独過半数となるなら、政権は非常に安定したものになります。もし、過半数を切っても、おそらく新民党ととの連立が組めるでしょうから、以前よりもはるかに安定した政権になりそうです。

 蔡英文氏は、日本に対しては親日的な発言をしており、日台関係は良好になると予想されます。観光でも日本によく来ているとのことですし、安倍首相とも会談をしたことがあるようで、さらに関係が強化されます。

 台湾の問題は、日台関係よりも台中関係。この舵取りの方が難題です。台湾の政治情勢が民進党の安定政権となると想定しましょう。日本も自民党の安定政権です。アメリカ大統領選挙も、私の予想では次は共和党候補者が大統領になるのではないかと思います。さすがにトランプ氏ではないでしょうが、その他の有力候補は中国に厳しい姿勢を示しています。となると、アメリカ=日本=台湾の対中国トライアングルができます。これは台湾の民進党にとっては、「過ぎた」対中包囲網となるかもしれません。あまりに対中路線が過ぎると、中国を刺激しすぎる可能性があります。1995年-96年の台湾海峡危機はまだ記憶にあります。あの頃の中国とは経済力も軍事力も格段に上です。どのような行動にでるのか分からないところがあります。

 ここに来て中国に経済も停滞しつつあります。 アメリカ=日本=台湾の連携がうまく機能し、中国と良好な関係となればいいのですが、そうはならない可能性の方が高いのが気がかりです。特に台湾には経済的な制裁も含めて様々な対応がやってくるでしょう。むしろ東アジアは不安定になる可能性もあります。

 間違いなく、日台関係は良好になります。それだけに、日中関係の改善も真剣に取り組んでおく必要があります。共和党のアメリカは強硬路線を主張する可能性があります。東アジアでの衝突は是非とも避けたいところです。中国の経済力がどこまで持つのか。これもわからないところです。台湾総統選挙の結果は、東アジアの勢力地図に影響を与えます。注視しておきたいですね。