憲法改正は可能になるのか~カギ握る来年の参議院選挙

(写真:アフロ)

 来年の参議院選挙の隠れたテーマは憲法改正になります。おおさか維新の会の松井一郎代表は、参院で自民、公明両党とおおさか維新を合わせて憲法改正発議に必要な議席に達する可能性があるとして、その上で、改憲発議で与党に協力する考えを改めて示しています。

 参議院選挙自体では憲法改正問題は争点には上がらないでしょう。公明党は、憲法改正には消極的であり、特に憲法9条に関わる部分の改正がテーマとなると与党の連携にもひびが入る可能性があります。少なくとも選挙でこのテーマが争点となることは避ける必要があります。

 より現実的に、来年の参議院選挙で自民党、公明党、おおさか維新の会で、参議院で過半数以上になれるかどうかを考えてみましょう。

 参議院は、6年任期で3年ごとの改選となります。平成28年7月満了の議員の数と平成31年7月任期満了の議員の数をみるとおおよその予想ができます。

 平成28年7月任期満了の議員は、2010年7月11日に投開票を行った参議院選挙で選ばれた人です。民主党政権は2009年7月の衆議院解散総選挙で民主党が大勝した後にできました。2010年にはすでに勢いを失いつつありましたが、まだなんとか踏ん張っていました。自民党がなんとか民主党よりも議席を確保したといっても、それほど数の差はありませんでした。それが2013年7月の参議院選挙では、自民党と民主党との議席数は大きく離れました。民主党の勢力の回復はみられませんから、2013年の結果に近い議席数に来年の参議院選挙もなるのではないかと予想されます。

               2016年7月任期満了の参議院議員数         

自民党       総数114  比例12 選挙区37 合計49

民主党・新緑風会  総数 58  比例15 選挙区26 合計41

公明党       総数 20  比例 6 選挙区 3 合計 9

おおさか維新の会  総数 6  比例 1 選挙区 0 合計 1

               2019年7月任期満了の参議院議員数

自民党             比例18 選挙区47 合計65

民主党・新緑風会        比例 7 選挙区10 合計17

公明党             比例 7 選挙区 4 合計11

おおさか維新の会        比例 3 選挙区 2 合計 5

 参議院の定数は242で、憲法改正発議に必要な3分の2は162議席です。来年の選挙で自民党が2013年の選挙と同じくらいの議席を獲得したとしたら、約130議席になります。公明党は22議席になります。それだけで152議席です。残りは10議席。おおさか維新の会は、様々な変遷を重ねていますから、単純には計算できないのですが、現有勢力で同様にすると10議席になります。ぎりぎり3分の2を達成することになります。

 野党の参議院議員の中にも憲法改正に賛成している議員がいます。おおさか維新の会が選挙後に解党して新しい政党を作るというプロセスを経るなら、数名の比例代表の議員を取り込むことも可能になります。衆参同時選挙ともなると、これまでの経験からは自民党に有利とされます。さらに可能性は高まります。

 こう考えると自民党、公明党、おおさか維新の会で、参議院の3分の2を獲得することは現実味を帯びます。平和の党としての綱領を掲げる公明党とどのような合意ができるか、ということになります。憲法改正は参議院選挙では争点にのぼらないものの、隠れた重要な争点になります。これはしっかりと踏まえたうえで、選挙に臨むことが必要です。