蛍光灯や白熱灯がなくなる時代~LEDは未来の産業になるのか

(写真:アフロ)

日本政府は、2020年度をメドに、照明器具に関する省エネルギー性能の基準を強化する方針を決めたことが報道されています。要点は、蛍光灯や白熱灯などエネルギー効率が悪い照明器具の生産や輸入が実質的にできなくなる、というものです。それらをLEDに変えてしまおうという方向です。 

日本はエネルギーの原料を海外からの輸入に頼っています。こうした省エネルギー対策は温室効果ガスの削減になるばかりでなく、日本の経済力のアップにもつながります。当然やるべき政策だと思います。

さぞかし日本はLED分野の産業活性化があるのかと思いきや、そうでもないのです。

まずはLEDの価格が急激に下がっていることです。LEDは素晴らしいけど高い、と言われてきましたが、価格は年々というよりも月々に下がってきました。白熱電球の数十倍と言われた価格は今では10倍程度。決して無茶高い、という状態ではないのです。電気の使用量もはるかに少ないのです。これはそのまま電気代の節約になり、短期間で元が取れる状態になります。しかも耐久力が違います。白熱電球は1000時間、蛍光灯は10000時間、LEDは40000時間といわれます。実際に40000時間も使うことがあるのかな、というくらい寿命が長いのです。実はここにもビジネスとしての落とし穴があります。つまりこれまでの白熱球などと異なり、LEDは10年以上持つのです。一度導入したらなかなか次の需要がないのです。

消費者にとっていいことは必ずしも業者にとっていいことではないのですね。LEDの導入数は当面は増えますが、価格の下落とともに、あまり成長産業にはならないようです。そして将来的には導入数も減少していくことが考えられます。しかもLED生産は中国が中心となっています。日本の産業としては期待と不安が混ざり合っているというところです。

ビジネスとしてはLED単体ではなく、ビル全体をエネルギー効率の良い制御システムとともに売り込んでいくことが考えられます。LEDも導入しながら、制御システムも導入してビル全体の省エネを実現し、大きなコストカットを行うというものです。これだと、LED単体よりははるかに大きな利潤を得ることができます。あるいは、農業分野でのLEDの使用等による新たな産業育成も必要です。LEDそのものではなく、LEDを活用したシステムの開発が求められています。

ビル全体から、街全体のシステムの開発等を行うと、さらに大きなビジネスに展開できます。スマートビル、スマートタウン構想です。こうした新たな展開を見据えて、省エネ産業を育成していくことが大切でしょう。日本はエネルギーの輸入国です。省エネ技術は、日本が手堅い経済成長をしていくのに欠かせないこと。ぜひともダイナミックに展開していってほしいです。