なくなって分かるマクドナルドの存在感

(写真:アフロ)

日本マクドナルドの売り上げがなかなか戻りません。既存店売上高は、現在14か月連続で前年実績を下回っており、厳しい経営を強いられています。順調であったマクドナルド戦略は14年7月に起きた中国の工場での期限切れ鶏肉の使用や、相次いだ商品への異物混入などで一気に崩れていきます。

健康に悪いのではないか、環境に悪いのではないかといったファーストフード店への批判の声はありました。それが一気に吹き出した感じです。

マクドナルドは不採算店を年内に131店舗閉鎖し、フランチャイズ契約満了などの店舗を含めれば合計で190店舗の閉鎖となる予定です。どの店舗が閉鎖なのかは公表していないということですが、地元のユーザーは不安になっています。

マクドナルドへの批判の声は強くありました。しかし、閉鎖となるとマクドナルドに残って欲しいという声も強くなっています。なくなって分かるマクドナルドの存在感です。

マクドナルドは様々な使い方をされてきました。子どもの誕生日には誕生会をする、というのもありました。日本の家事情では、誕生会を家でするのは難しいのです。マクドナルドで誕生会は、手軽なチョイスでした。まだコミュニティ活動などで小グループが集まり、議論するのもマクドナルドで行うことがありました。コーヒーならSサイズが100円からとなると、会議室を借りるより安く上がります。普通の喫茶店ならコーヒー代だけで400円にもなります。お腹の減っている人はマックバーガーを食べながらでいいのです。一種のコミュニティ活動の場でもありました。子どもを介してのお母さん方の交流の場でもありました。子どもも楽しく、お母さん方も世間話に花を咲かせる場となりました。ビジネスマンの仕事の場にもなりました。営業の合間に一息いれ、パソコンでメールをチェックというビジネスマンもかなりいました。高校生や大学生の交流の場でもありました。なんといっても安い。スタバに毎日行けない学生・生徒もマック・マクドでは手軽に交流できました。

このように考えると、マクドナルドの地域からの撤退は大きな損失であることがわかってきたのです。マクドナルドがあるときは、批判しながらも、なくなるとなると、その存在感を改めて知らされることになりました。

マクドナルドはこうした価値を十分に宣伝できなかったと言えます。いかにイメージを変えていくことができるのか。これが今後のマクドナルド戦略の重要なポイントになります。

今、注目が集まっているのは、マクドナルドの閉店後の使用です。どういった店が入るのか、なのです。立地のいい店には同業も含めて飲食店が入るようです。そのまま厨房も使えますから、比較的安上がりに出店できます。しかし、閉鎖店には立地の悪いところもあります。どういう展開になるのか。地域活動の核ともなってきたマクドナルド。なくなるとなると地域に与える影響もかなりあります。