パリのテロ事件はイスラム国の犯行か?~フランス以外の国でもテロが起こる可能性

(写真:アフロ)

 パリの中心部の劇場やレストラン、近郊のスタジアムなどで発生した同時テロは、世界に大きな衝撃を与えています。フランスのオランド大統領は、今回のテロをイスラム過激派「イスラム国」による犯行との見方を示しました。こうした混乱の時には様々な憶測が飛び交いますから、確定したとはいえませんが、「イスラム国」による犯行の可能性は高いでしょう。

 問題は、テロ事件がフランスにとどまるか、他の国でも起きてくるか、です。イスラム国と戦う有志連合には多くの国が名前を連ねます。主要国として、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、カナダ、オーストラリア、トルコ、イタリア、ポーランド、デンマーク、イラク、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦、ヨルダンなどが挙げられます。最近は、ロシアも空爆に参加しています。

 日本もこの有志連合には名前を連ねています。実際に空爆をしているわけではありませんが、人道支援などの分野での支援活動をしています。世界で60カ国くらいがこの有志連合に加わっているわけであり、この国々でイスラム国によるテロが起こる可能性があるのです。

 イスラム国への戦いに参加している国をみると、北欧諸国などかなり「平和的」な姿勢をもつ国々も参加していることがわかります。デンマークは小さな平和な農業国。このデンマークも空爆に参加しているのは驚きです。デンマークに在住のイスラム圏からの移民・難民の数が増加しており、イスラム国の成長を食い止めたかったということも理由の一つでしょう。イスラム国の残虐な振る舞いが報道され、憤りもあったのではないかと思います。今年の2月にはデンマークの首都コペンハーゲンで、イスラム過激派によるテロ事件が起きています。いずれにせよ、非常に多くの国を巻き込んだ反イスラム国活動が行われているのです。

 確かにフランスはここ数年間、テロの標的であったと言えます。しかし、テロに狙われる可能性の高い国はフランスだけではないのです。まずはアメリカ。なんといっても世界最大の軍事国です。イスラム国は間違いなくアメリカの空爆を恨んでいるでしょう。最近、空爆をはじめたロシアも危険でしょう。イギリスやデンマーク、ドイツ、おイタリアなども危険度が高い国と言えます。

 こうしたテロ事件は、罪なき市民を殺傷するだけでなく、罪なき多くのイスラム圏からの移民や難民が危険人物扱いされ、生き難くしていくという犯罪を犯しています。一つの国にいくつもの分裂を生じさせます。お互いが疑心暗鬼になり、不信の負の連鎖が起こってきます。二重、三重に問題なのです。

 これからしばらくの間は、世界の多くの国でスポーツ観戦やミュージアム、劇場など多くの人が集まる場所では厳重な持ち物検査が行われるのでしょう。危険なのはフランスだけではないのです。日本もしかり。テロを未然に防ぐための「戦争」が始まっています。難しい戦いですが、毅然として立ち向かう必要があります。ここまできたら、テロの効果があったことにさせてはいけません。ひるまず、冷静に立ち向かうことが求められます。

 ちなみに、パリでは週末のスポーツイベントのほとんどが中止になったといいます。体制が整わない段階では仕方ないでしょう。しかし、体制を整えたら、できるだけ早く「通常」に戻し、テロに屈しない意思をみせることも大切です。