統合のEUに分裂の兆し~スペイン・カタルーニャ自治州で独立派が州議会選で勝利

(写真:アフロ)

 ヨーロッパは統合の流れがある一方で、各地で国からの独立運動があります。スペインでは、スペイン東部カタルーニャ自治州と同じく東部のバスク地域が独立運動で知られています。

 カタルーニャ州で9月27日に州議会選挙が行われました。その結果、同州のスペインからの独立を支持する3政党が過半数の72議席を獲得しました。定数は135ですから約53%の議席の確保がなされたことになります。中央政府は独立は違憲として認めない方針ですが、この選挙結果をもって、独立運動はさらに加速されることと思われます。

 スペインはEUの中にあっても、そののんびりとした気質から、経済的にはあまり豊かとは言えません。文化的には豊かと言えるのでしょうが。午前10時の「コーヒーブレイク」があり、昼食はやたらと時間がかかります。スペインでの国際会議に参加したことがありますが、会議の登録にほぼ1日かかりました。初日は棒に振ったようなもの。これでは効率が本当に悪い。

 その中で、カタルーニャ地域とバスク地域は文化が違うと言われます。秩序があり、実際に、この地域は経済的にも優れています。カタルーニャ地域の州都バルセロナには、比較的低廉な賃金水準と地価を背景として外国資本が進出しています。安いだけでなく、勤勉な文化体質があり、企業が進出できる地域と言えます。これは非常に重要なポイントです。企業が求めるのは単に安い労働力だけではありません。上質の労働力であることも重要条件。カタルーニャ州には、自動車産業としてはセアトや日産自動車の生産拠点があります。また金融業も重要です。つまり、スペインの経済の牽引の地域なのです。

 また文化的にも独立性があります。カタルーニャ州では言葉も独自のものがあります。第二次大戦後のフランコ独裁下ではカタルーニャ語の使用が禁止されていました。これは大きな不満の種でした。フランコの没後1979年に公用語としての地位を取り戻しています。ここはバスク地域にも類似点があります。バスク語があり、文化的にも独自のものがあるのです。

 今回のカタルーニャ州での独立に向けた動きは、おそらく止まることはないでしょう。さらに加速する可能性が高いのです。問題は、こうした経済の牽引地域をスペインは失いたくないということです。スペインは今でも財政的に困窮しています。カタルーニャが独立するなら、それはバスク地域の独立にも飛び火するでしょう。経済的に重要な東部地域を失うことは大きな打撃になります。

 地域の独立ということは法的には想定されていません。地域の住民投票で決めることが出来るのか。それも乱暴な話です。だから、平和裏に地域の独立はなかなかできないのです。スペインの経済状況によっては混乱が深まることも予想されます。早く一定のルールを決め、暴力でなく、社会ルールによってこの運動が進められるようにすべきです。