国連安全保障理事会の改革へ向けて~G4会談が実現

(写真:アフロ)

 国連安全保障理事会の改革は非常に重要な課題です。国連がまともに機能するためにも是非とも成し遂げなければならないことと思っています。また国連が未だに第二次世界大戦の戦勝国と敗戦国の枠組みに囚われ、現実の状況を反映していないことも問題です。日本とドイツは今の国連において重要な役割を果たしています。外務省の報告をみてみると、国連分担金の大きさにおいては日本は2位、ドイツは3位となっています。常任理事国のフランス、イギリス、中国、ロシアよりも大きいのです。この現実を踏まえた改革を行うことは国連をさらに発展させる条件といえます。また、中国と同じくらい人口の多いインドやラテンアメリカの代表としてのブラジルなどの参画も重要です。後はアフリカ。候補国としては南アフリカでしょうが、アフリカはまとまっているようでまとまっていない、という問題があります。アフリカのさらなる影響力の増大は重要ですが、どのようにするかは思案のしどころです。

国連分担金の多い国

順位 国名  分担率(%) 分担金額(米ドル)

1 アメリカ合衆国 22.000  6億2,120万

2 日本  10.833  2億7,650万

3 ドイツ  7.141  1億8,220万

4 フランス  5.593  1億4,270万

5 英国  5.179  1億3,220万

6 中華人民共和国  5.148  1億3,140万

7 イタリア  4.448  1億1,350万

8 カナダ  2.984  7,620万

9 スペイン  2.973  7,590万

10 ブラジル  2.934  7,490万

(単位:%、米ドル 出典:外務省 「2012-14年 国連通常予算分担率・分担金」(2014年))

 安倍晋三首相は国連安全保障理事会改革を共同提案しているインド、ブラジル、ドイツとの「4カ国グループ」(G4)の首脳会合に出席したと報じられています。G4首脳会合は2004年以来11年ぶりです。日本の首相が1年ごとに変わるという異常事態が続いたことも国連改革を進めることができない要因の一つでした。日本の安倍首相、インドのモディ首相、ブラジルのルセフ大統領、ドイツのメルケル首相が出席しました。

 ポイントは以下の通りです。

1.常任理事国を現在の5カ国から10カ国に

2.非常任理事国を15カ国にしてアフリカ枠を増大

3.新常任理事国の拒否権は当面はない

 本当は、現在の常任理事国の拒否権の剥奪も必要なのですが、これを主張すると通らないでしょう。世界の平和を乱す可能性の高い国に、アメリカ、ロシア、中国が入っています。米ソ冷戦時代には、アメリカとソ連が拒否権を持っていましたから国連は安全保障という意味ではほとんど機能しませんでした。これからも安全保障の分野では、アメリカ、ロシア、中国が拒否権を持っているのでは国連には多くを期待できないのです。アメリカは国連を自分の下に属するものと考えているように思えます。まあ、ニューヨークに本部があるのですし。。アメリカの下部組織と感じているようです。こんな状況では、国連はまともに機能しないのです。

 国連改革は、時代のニーズです。日本が軍事国家でなく、国連主義で平和を追求するためにも必ず必要なこと。現在の常任理事国の既得権が大きいので非常に難しいと思います。しかしそれを要求することが大切です。

 国連の改革の向こうに、新たな国際秩序が見えてきます。