現実味を帯びる2016年衆参同時選挙

(写真:アフロ)

すでに2016年衆参同時選挙の可能性が囁かれています。私は、とにかく選挙が多いことが日本の政治を劣化させているとも思っています。衆議院は基本的に4年の任期。それを全うして欲しいというのが私の意見です。衆議院議員は選挙が終わるとすぐに次の選挙の準備をしなければなりません。国のあり方よりも自分の選挙区対策に追われる、というのが現実のようです。これでは、まともな政治はできません。日本では衆議院解散総選挙が一般的になっていますが、この慣習を変えるべきだと思います。基本は4年の任期を全うし、特別な時だけ解散総選挙とすべきだと思っています。政治家にはしっかりと地に足をつけた活動を行って欲しいのです。

とはいえ、これからどのように政治が展開するかを考えることも大切です。この2016年衆参同時選挙は相当に可能性が高いと思っています。確かに今は、安全保障関連法の成立もあり、安倍政権への反対のデモも起こっています。ずっと高かった安倍内閣支持率も若干陰りが見えます。しかし、来年の7月までは10ヶ月もあるのです。状況は大きく変わります。

衆参同時選挙が現実味を帯びている理由をまとめてみましょう。

1.まず第一に野党間の連携が非常に難しくなるということです。衆議院と参議院では選挙の制度が異なります。参議院選挙では、3人区、4人区、5人区があり、そこでは野党間の争いが激しいのです。また参議院では比例区も重要です。野党は他の野党との違いを打ち出すことが必要です。みんな仲良く、とはなりません。この状態で、衆議院の小選挙区での選挙協力は非常に困難なのです。一方で激しく争い、他方では選挙協力というのはなかなかできることではありません。与党の自民党と公明党はそうした選挙協力はかなりスムーズにできるようになっています。野党は大変です。つまり衆参同時選挙は与党に圧倒的に有利になるのです。

2.また、2016年5月26日、27日に開催予定の伊勢志摩サミットも考慮すべき点です。そこのホストは安倍首相です。非常に露出度は高くなり、おそらく内閣支持率も上がる可能性が高いのです。その勢いを保ったまま、6月半ばに衆議院解散、7月中旬か下旬に衆参同時選挙となると、またまた与党の大勝利となる可能性が高いのです。その頃には安保関連法案の影響は小さくなっているでしょう。サミットにはアメリカが参加し、中国も韓国も参加しないのですから、安保関連法案もその時にはむしろ自民党に追い風になる可能性さえあります。

3.第46回衆議院選挙は2012年12月16日に行われ、第47回衆議院選挙は2014年12月14日に行われています。その間は僅かに2年。2016年7月に次の衆議院選挙が行われるなら、1年半くらいの間しかないことになります。46回選挙でも47回選挙でも自民党は圧勝しています。ということは、自民党の議員はほとんどの選挙区に現職としているのですが、野党議員は非常に少ないということです。選挙期間が短くなると、各選挙区に候補者さえ擁立できない状態に陥るのです。民主党は野党の最大政党として候補者をたてたいところですが、これだけ時間がなければ、なかなかできません。不戦敗に近い選挙区が多く生まれるのです。2年ごとに衆議院解散総選挙を行えば、野党は立候補擁立が間に合わず、かなりの確率で与党が勝つ、という法則ができつつあります。

4.2017年に予定されている消費税のアップの影響もそれまでに選挙をするなら最小限に抑えることができます。

このように考えると、2016年6月に衆議院を解散し、7月中旬か下旬に衆参同時選挙の可能性が高いと思えるのです。そしてその結果はまたしても自民党の圧勝でしょう。

衆議院の解散権を持っているというのは与党は戦略的に解散ができるのですから、非常に有利です。私は、このような戦略的に選挙が行われる制度には反対ですが、現状では致し方ありません。2年ごとに衆議院解散総選挙があるというのも異常なような気がします。国民のための政治ではなく選挙のための政治になってしまいます。願わくば、野党にも各選挙区に候補者を今から擁立し、不戦敗の選挙区がなくなるようにしてほしいです。

選挙に明け暮れ、国滅びる、ということにならないことを祈ります。