河村市長の減税日本、微妙な選挙結果~どこへ行く河村名古屋市政

 名古屋市議会選挙と愛知県議会選挙が終わりました。統一地方選前半の中で行われたものです。注目の一つは、前回の選挙で大躍進した河村市長が率いる減税日本の議席数でした。

 2011年の選挙では、名古屋市議会では減税日本は実に28の議席を獲得しました。愛知県議会でも13の議席を獲得し、大きな勢力となりました。しかし、その後、減税日本の議員の何人かの不祥事が続き、減税日本は内部崩壊、分裂的な様相になりました。名古屋市議会で28もあった議席は、今回の選挙前には11となり、選挙もないのに半数以下になっていました。愛知県議会でも13の議席が7つにまで減少していました。河村市長の求心力も低下して、減税日本の先行きを危ぶむ声も強くありました。

 今回の2015年統一地方選挙の結果は、減税日本にとって微妙なものとなりました。名古屋市議会では、11の議席を1つだけ増やすことができました。増えるか減るかは心理的には非常に大きなものです。一ケタの議席獲得か、と言われていましたが、11を12に増やしたわけで、減税日本の存在感をアピールすることになりました。河村市長の人気はまだ一定のレベルは保っているのです。とはいうものの、前回の選挙で得た28からは大きく減らしたことにはなります。本当に微妙な結果です。

 愛知県議会では相当に明白な厳しい結果が出ました。7つの現有議席に対して4人が立候補。しかし全滅です。愛知県議会では完全に議席を失ってしまったのです。前回選挙の13議席からはマイナス13ということです。

 この二つの選挙結果をみると、どうとらえるといいのか非常に微妙です。名古屋市議会で、とにもかくにも現有議席に上積みできたことは、一定の信任が得られたとも言えます。しかし、75議席中の12議席にとどまり、河村市政に厳しい自民党や民主党は議席をかなりのばしています。この状態のもとでは河村市政は停滞する可能性が高くなります。

 減税日本だけでは到底、名古屋市政を運営することはできません。1議席増やしたといっても全体の16%しか議席の割合はないのです。今回の選挙で、愛知県議会の議席を全く失ったことも影響は大きいでしょう。大村知事と河村市長のいわゆる村村コンビですが、愛知県政においては減税日本の影響力がほとんどなくなったのです。大村知事の選挙では自民党が支援に回りました。もともと自民党の中枢にいた大村氏がまた自民党をバックに政治ができるようなったのです。減税日本や河村市長の影響力や発言力は大きく下がったと言えます。

 この状態で、どのように河村市長が新たな名古屋市政をつくることができるのか。一言で言えば、どこまで対話ができるか、ということにかかっています。河村市長がよく言われるのは、一方的に同じ話を繰り返すばかりで、ほとんど対話にならない、ということです。このスタイルがこれからも続くなら、名古屋に新たな展開はありません。経済もやや回復し、国際化にむけて名古屋市は重要な時期を迎えます。新たな名古屋市政の姿をみてみたいものだと思っています。