地ビール「ヒメホワイト」が国際ビールコンテストで金賞受賞

右が鈴木社長(二軒茶屋餅角屋本店)、左が内田三重大学長

地域の取り組みが世界で評価されました。伊勢市にある二軒茶屋餅角屋本店は、三重大学とともに、新たな地ビールを共同開発しました。その名は、「ヒメホワイト」。この地ビールは、今年9月に開催された国際大会「インターナショナル・ビアカップ」で、ボトル缶・ハーブおよびスパイスビール部門で金賞を受賞しました。16か国327銘柄が出品された歴史あるビールの国際コンテストでの授賞は、快挙です。

二軒茶屋餅角屋本店社長の鈴木成宗氏は、三重大学地域イノベーション学研究科の博士課程の大学院生でもあります。地域イノベーション学研究科は、地域の会社の経営者などが事業の傍らで研究できるコースを持っています。鈴木氏はその博士課程後期の3年生でもあるのです。

この地ビールの特徴は、新たな酵母を使ったこと。この酵母は伊勢神宮別宮の「倭姫宮」(やまとめのみや)近くの樫の木の樹液から取り出したもので、KADOYA1号と名付けられています。なんとなく伊勢神宮の神秘的な力も感じる酵母ですね。以前にもこの樫の木の樹液を使ったビールは作ったことがあり、非常に美味しかったとのことです。しかし、天然の樹液は成分は一定せず、どの酵母がどのような働きをするのかを把握して、商品化する必要がありました。そこで三重大学の大学院生になり、指導教員の苅田修一教授の指導を得ながら、この新たな酵母の活用に至ったのです。苅田教授は応用微生物学を専門とし、その知見を幅広く社会に活用する研究・事業をされてこられた人です。

ヒメホワイトの名前は、「倭姫宮」(やまとめのみや)の近くの樫の木の樹液から取られたことから「ヒメ」の名をとり、それがベルギービールのホワイトなビールに似ていることから「ホワイト」をとり、名付けられたものといいます。つまり白濁しているのです。確かにベルギービールのような独特の香りと味を感じさせてくれます。日本の一般的なビールにはないブルーティーな香りがして、男心も女心もくすぐる感じです。

このヒメホワイトは、今年5月に仕込みを始め、6月末に樽詰めをし、最初の製品となりました。製造したのは84樽です。1樽は10リットルといいますから作ったのは約840リットル。それはすぐに完売したといいます。ですから今は、ほとんどない状態です。その状態の中で、僅かに残っているビール瓶詰めのものが写真のビールです。これでは酔うほどには飲めませんね。

今後は第二弾の樽詰めを年内にも始めるとのことです。一般向けの小瓶(330ミリ・リットル)が販売されるようになれば、入手ができそうです。

地域からの世界へ向けた挑戦です。地域の地ビールが国際的なビールコンテストで受賞するということは、地域の活動をしている人への励ましにもなります。ヒメホワイトが地域再生の象徴のビールとなるといいですね。