宗像国際育成プログラム、成功裏に終わる~IPCC議長のパチャウリ博士の講演が好評を博す

 私は研究者として多くの国際会議や学会に関わってきました。平和や民主主義、環境保護などをテーマに多くの学会に参加したり、報告を行ったりしました。学会では素晴らしい報告があったり、提言があったりしました。ではそれで世界は動いたのか。残念ながら、研究者の閉ざされた世界では、本当の大きな世界を動かすことはできません。ではどうしたらいいのでしょうか。

 一つの方向は、世界の様々な分野から影響力のある人を集め、一緒に政策提言をし、その提言を実現できる仕組みを作り、さらには実際に実現への取り組みを行うことです。そのために新たな社会変革メディアであるUBrainTVは宗像会議を構想しました。それはさらに多くの人を集め、ノーベル平和賞受賞者の東ティモール前大統領ラモス・ホルタ氏を議長とする実行委員会を形成し、「宗像国際環境100人会議」(5月30日~6月2日)の企画となり、準備が進んでいます。

 3月23日、24日には記念イベント「宗像国際育成プログラム」が、宗像市内で開催されました。IPCC議長・TERI所長を務めるラジェンドラ・クマル・パチャウリ博士を始め、東京大学名誉教授・東京理科大教授・国連諮問委員会委員の黒田玲子教授など、世界で活躍する多くの有識者の方々を招き、宗像市の中学生30名を対象としたワークショップを行いました。

 このプログラムのもう一つの重要な目的は、国際感覚を持った次世代の育成。地球的な視野から発想できる人材の育成は重要な課題です。この趣旨に、ラモス=ホルタ氏もパチャウリ氏も賛同してくださいました。素晴らしい展開です。

 IPCCはノーベル平和賞も受賞した組織で、地球温暖化問題においては世界的な権威と言えます。そのIPCCの共同議長でもあるパチャウリ氏の話は非常に興味深いものであり、深く考えさせられるものでした。パチャウリ議長は、地球温暖化が過去30年と同ペースで進めば様々な弊害が起きると警告。例えば「災害が巨大化する」ことや「病気が多発し、生物によっては絶滅危機が訪れる」ことなどをデータを示して強調しました。世界を変えたいなら、まず自分が変わることが必要だと訴えました。今の若い世代には非常にインパクトのある講演でした。

 パチャウリ氏はマハトマ・ガンジーのエピソードで講演を締めました。マハトマ・ガンジーは、インドがイギリスと同じくらいの生活レベルに到着すべきかと尋ねられたことがあります。彼の答えは「イギリスはこの繁栄を得るために地球の半分の資源を奪った。インドのような国が同様の繁栄を得ようとするなら地球は何個必要なのか」というものだったといいます。つまり、地球を持続可能なものにするなら、発想と生活を変える必要があるというのです。

 3月23日24日の宗像でのプレイベントは大きな成功を収めました。さあ、5月末の「宗像国際環境100人会議」がどのようなものになるのか。世界が見守る会議になります。