中国に新たな省エネ対策~日本企業は早急に対策を!

 中国の省エネ対策が本格化しつつあります。中国の環境汚染とエネルギー消費量の急増は世界が注目している問題です。どのように中国が対応するのか、関心を持って見守っていました。

 先ほど、上海の友人より情報が入りました。遂に、上海市は3月6日付けで「罰則的電気料金徴収」を発表したそうです。

 2014年4月1日より新たな法律が施行となり、政府が定めた「淘汰」又は「制限」の対象となる非効率設備を製造する企業に対して罰則的な電気料金を課すこととなったのです。

 ※参考URL

 http://www.news365.com.cn/xwzx/gd/201403/t20140306_1806156.html

 これは、以前からブログでも指摘していたとおり、非効率設備の省エネ化を推進する為に政府が定めた「淘汰設備」、「制限設備」の基準をクリアしていない設備を今も尚製造している企業に対する処罰を意味しており、単に電気料金を多く支払えという事では無く法的に違反していると言うことを言っているのです。

 淘汰、制限設備には多くの製造工場で使用されている水銀灯なども含まれており、これら設備は今後使用する事も難しくなるでしょう。中国に進出している日系企業としてはコンプライアンスの観点からも至急対策を講じなければならないことであり、今後同じような罰則規定が全国的に展開される事が予測されるので、各企業は早急に対応すべきと考えられます。

 現在、全国両会が開催中であるが、今回の会議に於いて取り上げられる10大焦点の中に、「美麗中国」を取り戻そうというポイントが挙げられています。そのためには、大気、水、土壌の汚染問題解決には、産業界の参与が絶対に必要であり、エネルギー消費総量を下げる必要があると述べられています。

 つまり、効率の悪い機器や設備は淘汰し、エネルギーを効率よく使用することのできる設備への入れ替えや改造が必須であるとの見方であり、政府方針をその方向へ導いていくことが明確に述べられたと考えるべきなのでしょう。これ自体は全く真っ当な主張です。どこまで実態を伴うか、がポイントですが、中国政府はかなり本気のようです。

 以前からこのブログでも取り上げていますが、現在の中国で使用されている設備の大半は老朽化が進んでおり、且つ適切な保全がなされていないことからエネルギー効率が悪く、その副作用として大気、水、土壌の汚染が進んでしまっている現状があります。中国はこの面では先進国ではなく、後進国だという認識を持つことが必要です。設備の保全とは、単なるハード面だけで解決できる問題では無く、ソフト面での充実が要求されます。要するに、使う側の設備に対する知識、経験、ノウハウなどが何よりも重要であり、今の中国にとってこのソフト面の充実が何よりも必要とされていることを知る必要があります。

 このソフト面こそが、正しく日本企業の持つ長年の経験とノウハウの集大成であり、世界中に誇ることのできる日本クオリティそのものといえます。日本の大手企業は、自社の工場内に工務部を持ち、その工務部が独立して設備の保守メンテナンスを自主的に行っており、そこで積み重ねられた多くのノウハウや技術は一朝一夕では手に入れることのできない宝物と言っても良いでしょう。

 2010年度より中国政府は、合同能源管理(EMC)を活用した省エネを推奨しているにもかかわらず、一向に前に進んでいないのが現状。先日長年中国に於いて省エネ、環境改善に取り組んできた企業の幹部と話をする機会がありましたが、そこでこの原因について説明を求めたところ、中国側の抱える問題点が明らかとなりました。

 それは二点に集約されます。1.合同能源管理(EMC)を行うための資金調達ができない。2.単体の技術や設備は存在するが、それらを総合した省エネ、環境改善策を提示できるノウハウと技術がない、ということです。

 つまり、一つの病気を解決する薬は持つのですが、身体全体の病弊を解決するための総合的な処方箋が不足しており、それらを処方するための資金が無いというのです。そうであるならば、日本企業として、いや日本としてどのような政策をとり中国にアプローチすべきなのでしょうか。相手の欲しがる物を提供してあげ、それをもって新たな関係を構築するのがこれからの「戦略」のはずです。確かに日中関係は冷え切っています。だからこそ、新たな展開を模索することも必要なのです。

 詰まるところ日本企業がこのような自らの長所を活かし、世界に大きく貢献できるチャンスが到来したと見るべきであり、中国政府に対しても日本政府からの援助として、ハード面とソフト面両方からのアプローチがあるべきだと思います。これがデッドロックに陥っている日中関係を新たな次元に引き上げるキーイシューだと思います。ここから新たな日中関係が始まります。