中国のバブル経済は破綻するのか~新たな危機に備える必要

中国のバブル経済の破綻の危機が報じられてから長い。しかし、中国経済は破綻することなく、すくなくとも最近までは奇跡的な成長を続けてきました。バブル経済破綻は狼少年的な扱いにまでなりました。なぜこれが可能であったかは考える必要があります。そしてそれば、これからの大きな危機に備えることにもつながります。

リーマンショックによる世界経済への影響は非常に大きいものがありました、アメリカ、ヨーロッパへの影響は大きく、また日本も深刻な影響を受けました。中国経済への影響も心配されましたが、中国は世界に先駆けてリーマンショックから立ち直り、また経済成長を続けました。日本をはじめ世界のメディアは賛辞を送りました。

しかしこの不景気からの急激な立ち直りは無理な状況をつくりました。中国経済の成長は地方政府が行っていた採算性の低い不動産事業などのプロジェクトにシャドーバンキングによる巨額の資金を投入することによって成り立ったのです。中国政府は、一方で不動産投資を抑え、財政状況を安定させるために金融規制を行いました。しかし他方では、国有銀行などが融資を行えない不採算プロジェクトに対して高金利で資金を集め、融資を行うシャドーバンキングを認めることによって、マネーフローを確保し、景気を下支えしたのです。

日本でも不景気には公共事業を行います。採算性の低いものもあります。中国はこれを一部、シャドーバンキングというシステムを使って行ったのです。一見、政府や国有銀行のリスクを避けながら経済成長を図る妙案のように見えます。

リーマンショック後に世界の「マネー」は行き場を失います。アメリカがだめ、ヨーロッパがだめ、となったとき、再び中国が投資先となったのです。チャイナリスクを認識し、次の行き場を狙って、引き揚げ時期も考えていながらも、他に選択肢があまりなかったのです。こうしてリーマンショック以後も、中国は成長を続けてきました。

しかし、政府や国有銀行のリスクを避けるという選択は、「民」にリスクを負わせるということです。「民」は理財商品にそうしたリスクがあると知らずに、すくなくとも認識せずに、投資をしてきました。投資という感覚もなかったでしょう。条件のいい貯蓄と考えたに違いありません。この理財商品は、決して採算性の高い事業への投資ではなく、普通にいえばかなり問題のある事業への投資に使われました。中国の地方で巨大なマンション群が立ち並びながらも夜に部屋から明かりはほとんど灯らないという状況があります。つまり不良資産化しているのです。いずれかの時期に破綻することははっきりしています。

この1月末にもデフォルトが起こると予想されました。しかし今回は、利子分を支払わないで元金を保証するということでなんとか切り抜けたようです。しかし、今回償還を迎えた信託商品の元本の返済を助けたのが一体誰か、不明です。この状況において、さらに投資を続ける、投資を助けるという「民」もいるようには思えません。地方銀行や中国工商銀行が支援したとも言われますが、これもはっきりしません。いずれにしても状況が大きく変わったわけではなく、問題を先送りした感があります。

つまり時間は稼げたものの将来のリスクはさらに大きくなっているということです。中国政府はソフトランディング、つまり多少のデフォルトは認めながら、中国経済を危機に陥れることは避ける、という状況を作ろうとしています。相当に難しいことです。この奇跡的な状況を作るには、海外からの資本流入がさらに増える、少なくとも減らないということが条件でしょう。リーマンショックから世界経済も一息つき、冷静に判断できる状況になりました。ASEANやインドが現実的な次の時代の投資先として中国に変わる勢いで現れています。またアベノミクスにより立ち直りつつある日本も重要な投資先となりえます。中国しかない、という状況は変わりつつあり、むしろ「マネー」は中国からでていくタイミングを伺っています。中国富裕層も溜め込んだ資金を海外に使い、また実際に家族ごと海外にでていっています。中国人富裕層もチャイナリスクを避けなければならないのです。これがさらにチャイナリスクを高めることになります。

中国は、環境リスクも高まりました。外国人にとっても、中国人富裕層にとってもさらに投資する先としての魅力が減っています。これに地方の暴動が起きると大変なことになります

国内状況が厳しくなった時に、反日の動きがどうなるか、は日本にとって重要なポイントです。日本はスパイラルに巻き込まれないように注意をしていく必要があります。数年前の反日暴動とは比較にならないほどの状況が訪れる可能性があります。常に平和を志向し、しかし、謙ることなく凛として外交を進めていく必要があります。大国で隣国の中国。日本は、笑顔と誇りの外交が求められています。