バングラデシュの総選挙で混乱~国際社会はどうするのか

 バングラデシュが大変な状態になっています。

 バングラデシュで1月5日に総選挙(一院制、定数350)の投票が行われました。普通の選挙にはならず、野党は選挙をボイコット。野党は参加していませんから、与党・アワミ連盟の勝利は開票前から確定しています。

 バングラディシュでは民主化が進んだ1990年代以降、アワミ連盟とBNP(民族主義党)の2大政党が交互に政権を担ってきました。平和的な政権交代とは言えず、野党に回った側がデモやゼネストをたびたび起こし、混乱が続いています。選挙と社会暴動とが連続して行われている状態です。これは国の経済の低迷にも結びつきます。

 総選挙をめぐっては、BNPなどが、アワミ連盟党首のハシナ首相に辞任して中立的な選挙管理内閣を設立するよう求めました。今の体制では選挙の公平性、透明性が保てないというのです。これをハシナ首相は拒否しました。

 当然のごとく、各地で野党支持者による抗議行動が激化しました。

 これに拍車をかけているのが、戦争犯罪者の処刑です。昨年の12月12日夜、アブドゥル・カデル・モッラ(Abdul Quader Molla)死刑囚(65)が絞首刑に処されました。1971年、パキスタンからの独立戦争の最中、ダッカ市内で大量殺人および集団猥褻を行ったとされています。この裁判は、相当なレベルで政治的意図があるとされます。今の時期に死刑の執行というのも政治的なものと考えるべきでしょう。選挙で野党が勝利するなら恩赦も考えられるもの。戦争犯罪の問題は、政治と密接に絡むのです。

 政権与党のアワミ連盟は2009年選挙のマニフェストで、独立戦争当時の戦争犯罪人の裁判をやると公約しています。それだけに選挙前に死刑を実施し、党内の結束と支持を得る必要があったのでしょう。

 しかし、これは混乱に拍車をかけています。投票所も少なくとも200が放火されるなどしていると報道されています。バングラデシュの研究者からの報告でも、バングラデシュの国内は相当な混乱があり、危険な状態になっているとのことです。治安部隊との衝突で少なくとも21人が死亡したと報道されています。

 ここまでくると収拾が難しいです。内戦の可能性さえ生まれています。

 バングラディシュは隣国インドが順調な経済成長をするなかで、潜在的な可能性は指摘されながらも経済的に苦しんでいます。それだけに、政権をとってもまた替わる、という状態。それが長期的なビジョンを持てないという悪循環に陥っています。

 公正な選挙を国際機関も一緒に行い、政権に権威を与えることが必要でしょう。今のままでは勝利するハシナ政権が国民から支持されるとは思えません。混乱は続くことでしょう。

 混乱の政治から早く脱して行けるように日本が何ができるか。国際社会が何ができるか。内政干渉にならないようにするのは簡単ではありませんが。。