「世界がもし100人の村だったら」の池田香代子さんの話~交流と対話の文化を!

講演する池田香代子氏(撮影:児玉)

豊明市国際交流協会設立20周年、豊明市・シェパロン市友好都市提携10周年を記念して、「大きな地球でつながる文化」と題したイベントが行われました。メインの講師は、池田香代子氏で、「多文化共生と世界平和」と題して講演。池田香代子氏は、「世界がもし100人の村だったら」という本を出した翻訳家でもあります。

「世界がもし100人の村だったら」は、ドネラ・メドウス教授 (Donella Meadows)(環境科学) が1990年に「村の現状報告」(State of the Village Report)として著した小文だと言われます。メドウス教授の小文では世界をひとつの村にたとえ、人種、経済状態、政治体制、宗教などの差異に関する比率はそのままに、人口だけを1,000人に縮小して説明しています。これがメールで紹介され、いろいろなアレンジが加わり、1,000人が100人に縮小して世界に広まったといわれます。

その話をもとに本にしたのが、池田佳代子さん。マガジンハウスから、 『世界がもし100人の村だったら』(2001年)、 『世界がもし100人の村だったら2- 100人の村の現状報告』(2002年)、 『世界がもし100人の村だったら3- たべもの編』(2004年)、『世界がもし100人の村だったら4- 子ども編』(2006年)、 『世界がもし100人の村だったら- 完結編』(2008年)として出版されています。

一部を紹介しましょう。

「村に住む人びとの100人のうち

20人は栄養がじゅうぶんではなく

1人は死にそうなほどです

でも15人は太り過ぎです

すべての富のうち

6人が59%をもっていて

みんなアメリカ合衆国の人です

74人が39%を

20人が、たったの2%を

分けあっています

すべてのエネルギーのうち

20人が80%を使い

80人が20%を分けあっています

75人は食べ物の蓄えがあり

雨露をしのぐところがあります

でも、あとの25人は

そうではありません

17人は、きれいで安全な水を

飲めません」

このような感じで、世界を紹介しているのです。確かに世界の状況を大まかに把握するには有効な方法です。池田さんは、文化の違いを認めながら、対話する必要を切々と訴えました。

世界には環境問題や戦争、貧困など深刻な問題があります。日本社会の枠に閉じこもっていては、世界の状況は見ることができません。考えることができません。日本の価値観だけでなく、多様な価値観があることを理解したうえで、こうした地球的な課題に取り組む必要があるといいます。

特に、最近のヘイトスピーチの「流行」には毅然とした態度で立ち向かうべきだと池田さんは主張します。これは日本だけの傾向ではありません。ヨーロッパでも起きています。アメリカでも起きています。アジアでも起きています。こうした排他主義を乗り越えて、対話と交流の文化を作り上げることが必要なのです。

池田さんとの仕事は2度目です。わかりやすく、しかしそれでいて、迫力のある語り口は、いいですね。あらためてこれからの社会のあり方を考えさせられました。