IPCC議長のラジェーンドラ・パチャウリ氏に聞く~地球環境の新たな展開のために

パチャウラ氏とともに

 ラジェーンドラ・パチャウリ氏は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の議長で、環境とエネルギー問題の専門家として知られています。私もこれまで会議なのでお見かけすることはあっても、個人的にお話しすることができたのは初めてでした。横浜で開催されたIGES主催の国際会議で、パチャウリ氏とお会いし、話す機会を得ました。

 パチャウリ氏は2002年よりIPCCの議長となっています。IPCCは2007年にアル・ゴアとともにノーベル平和賞を受賞しています。IPCCは国際的な専門家によって、地球温暖化についての科学的な研究の収集・分析をする政府間機構です。IPCCが出す評価報告書は専門家の科学的知見を集約したもととして、国際機関や各国の環境政策に大きな影響を与えています。

 パチャウリ氏は、地球温暖化はこのままであれば、非常に深刻な問題になると強調します。人間の営みが自然に大きな負荷を与え、それが人間の営みに悪影響を与えるという負の連鎖。これをいかにして解決するのか。IPCCは現在の状況を調べ、分析する国際機関ですが、パチャウリ氏自身は、単なる「研究者」の枠にとどまるのではなく、その解決のための活動にも積極的に関わっていらっしゃいます。その姿勢が、多くの人を魅了する秘訣なのでしょう。

 パチャウリ氏は、国際的な重鎮ですが、非常に気さくな研究者でもあります。ライフスタイルの改善も重要だと考えられていて、本人も完全なベジテリアン。肉食を野菜食に変えることによってもCO2の排出はかなり抑えられると主張されます。環境の問題は、人々の生き方の問題でもあり、また哲学の問題でもあるのです。

 彼のカラーは、グリーンだと言っていました。実際にその日の服のコーディネートも緑色が基調でした。胸のポケットチーフも鮮やかな緑でした。なかなかファッショナブルでもあります。ちょっと見習いたいですね。

 パチャウリ氏は、環境問題における日本の重要性も強調されます。日本がいかに環境や先進技術において世界をリードできるか。これからの連携の可能性もかなりありそうです。研究者、国際機関、国際市民団体、メディアが連携することがこれからの地球の状況を変えるために必要なことと思います。未来の世代に何ができるのか。何をすべきなのかパチャウリ氏の話と研究スタイル、生活スタイルは大いに参考になるものでした。今度はインドでお会いしたいと思います。