見せ掛けの投票率が上がっても日本はよくならない~政策を考え、政治をより良くするために選挙に行こう!

 参議院選挙が近づいています。マスコミは投票率について記事にしています。実際に投票率の高さが選挙結果にも大きく関わりますから気になることは確かです。主なマスコミの論調は投票は国民の義務で投票に行けばこの国はよくなる、というものです。そこには反対するものはなく、投票率が上がることは一般的に言っていいことです。

 ただ、私は名目投票率と実質投票率を分けています。日本では実際の政治・政策についての教育はほとんどしませんが、「投票は国民の義務で権利」と教えられます。生真面目な日本人は、政治には興味ないけど、投票だけはいかないと、という感じで投票に行くのです。政治には全く興味ないけど、「投票だけは欠かさずに行っています。これがちょっとした自慢です。」という人も少なくないのです。つまり投票することと政治に関わることがあまり連結していないのです。おそらくこんな国はあまりないのではないでしょうか。

 投票場で、さてさてどの党に入れるといいのか、誰に入れるといいのか、と悩む人も多いのです。だからちょっとマスコミで取り上げられた党や人が浮動票をがっぽりと持っていくのです。小泉旋風の時も、郵政民営化の意味など考えた人はごくわずか。小泉さんならなんかやってくれそう、という軽い気持ちで大きな票が動いたのです。民主党が政権をとった時の衆議院選挙も、民主党のマニフェストをまともに読んだわけでもない。まともに読めば矛盾だらけ。そんなのある意味どうでもいい、ということになっていたのです。

 選挙管理委員会は、選挙が近づくと法律に違反する可能性があります、といって、選挙について国民が語り合うのも難しい雰囲気を出します。それでいて投票率をアップさせようというのですから、タレントが「みんな、選挙に行こう!」というCMを流すだけで終わります。それで投票に行ったからと言っても日本の政治はよくなりません。

 政治には関心はない、選挙にも関心はない、政策を考えることもまずない、という人が投票だけは行きます、という投票率を名目投票率と言っています。50%の投票率の中で、そのうちの8割くらいはあまり政治を考えていない人の票でしょう。つまり、本当に政策を考えて投票した実質投票率はおそらく10%、あるいはそれ以下なのではないかと思います。

 マスコミも選挙が近づくと政治や選挙についての特集をします。しかし、日ごろ政治に関わっていない多くの国民がいきなり2週間程度で選挙や政策に興味を持つとも思えません。むなしいような選挙戦になるのです。この選挙でいい政治家は絶対に育ちません。

 そうです。選挙(だけ)が大切なのではないのです。もっと大切なのは選挙と選挙の間。つまり日常の生活の中で、いかに政治とのかかわりを持つか。私は、ヨーロッパ、具体的にはスウェーデンで生活をしたことがありますが、国民が政治活動、政治家とかなり近く、日常的に活動があることに驚かされました。だから80~90%の投票率があるのです。

 むりやりタレントを起用して投票率をアップさせたり、テレビで「とにかく選挙にだけは行きましょう」と連呼するのは日本の政治をよくするという点からはほとんど意味がありません。政治に参画できる社会を創り、政治に関心がある人を増やし、意思と決断をもって投票に行く人を増やす。この地道な活動と制度の変革をいかにするか。ここに日本再生のヒントがありそうです。