大学生の就職活動の解禁時期、「3年生の3月」に!

 安倍晋三首相は19日の経済3団体トップとの会談で、大学生の就職活動の解禁時期について、現在の「3年生の12月」を3カ月遅らせて「3年生の3月」とするよう要請しことが報道されています。経済界もこの要請を受け入れるようです。

 大学の立場からすると大いに望ましい改善です。今の状況は、大学3年の後半になると学生はそわそわしてきて、就職活動が優先の大学生活になっています。大学1年2年の多くが教養教育にあてられ、3年になって専門教育が始まったと思ったらすぐに就活。最近の就職の難しさを考えると、「就活優先」という方向に大学も逆らうことができません。結局、専門教育は中途半端になり、大学としての役割を果たすことは難しくなります。これは日本の人材育成という点からもマイナスです。大学が、就職のための機関になりさがりつつある、という感じがしていました。

 それとともに、海外留学やボランティア活動など、大学生の間に取り組み、人生観を養うような活動もできにくくなっていました。日本の大学から留学生が減っていることは、経済的な問題ばかりではありません。日本で就職活動があまりに早く始まるために、留学をすると帰国してからの就職活動に大きなダメージがあるのです。留学を1年することによって、就職が1年どころか2年遅れる可能性も考えなくてはなりません。こういう状態では、留学をあきらめる学生が増えるのも当然です。

 日本の課題は、より良い人材を世に出すこと。そのためには、国際感覚溢れ、専門教育をしっかり受けた学生が増えることが必要です。就職活動を早めることはマイナスになっていました。できれば4年になってから就職活動が始まるというのがいいです。3年の春休みのうちに世界を見て、自分の道をもう一度考えたうえで就職活動に臨んでほしいと思っています。

 とりあえず、3年時の3月まで就職活動の解禁時期が延びたことは、喜ばしいことです。その期間に大学と学生とでどのような教育ができるのか、そして短くなった就職活動期間にどれだけ効果的に企業と学生との「望ましい」マッチングができるか。これからの課題です。