アメリカでまた惨事が起こりました。アメリカの東部マサチューセッツ州ボストン市で、15日午後にボストン・マラソン中にゴール付近の観客エリアで爆発が起きました。ボストン市警によると、現在のところ少なくとも3人が死亡、141人以上が負傷しています。この数は増えていますから、状況がはっきりするとまだ若干増えるかと思います。

まだ誰が何の目的でこうした爆発事件を起こしたのかはわかっていません。これだけの事件を引き起こしたのですから、なんらかの声明があるものと思います。FBIは政治的背景が絡むテロの可能性があるとみて捜査を始めています。

具体的な背景の調査はFBIに任せるとして、この事件がどのような影響を与えるかを考えてみましょう。

まず第一に言えることは、テロが極めて身近なものになるということです。9.11アメリカ同時多発テロは確かに衝撃的でした。航空機がハイジャックされ、ワールドトレードセンターなどに突っ込み、崩壊させた光景は世界中に放映されました。その後、航空機のセキュリティは格段に厳しくなりました。アメリカではあの事件以降は大きなテロ事件は起こっていません。

今回の事件は、多くの人が観客としてもランナーとしても参加する一般的なマラソンレースで起こっています。オリンピックなど特別なイベントでは確かにセキュリティは厳しくしますが、一般的なマラソンレースとなるとその程度も限定的になります。42.195キロを走るマラソンでは、すべてにわたって安全を確保するのはほとんど不可能です。世界中でたくさんのマラソンレースが行われます。アメリカだけでも半端ではない数のマラソンレースがあります。沿道には多くの観客がいて、多くのマラソンレースでは市民参加者の数も万を超えるものとなります。マラソンは日常的に行われていますし、42.195キロの沿道の防備は並大抵のことではありません。

マラソンが狙われたということは、テロがより大衆的なイベントをターゲットにし始めたことになります。航空機などだけを狙うのであれば、防備はなんとかできても、大衆的なイベントまでとなると、おそらく極めて厳しい戦いになるでしょう。今回の事件は、テロが大衆イベントに向かう契機になりうるという点で注目しなければなりません。テロが新たな段階に入る可能性があります。

経済的な影響もかなり深刻です。アメリカ経済は世界経済の先行きの不安から不安定な状況を続けています。今回の事件は、アメリカの経済を冷えさせる可能性があります。株価が当面、落ちていくことが予想されます。ヨーロッパ経済にも大きな影響を与えます。EUはアメリカ以上に危機的な状況が続いています。アメリカ経済がさらに不安定になると、深刻な危機をいくつかの国が迎える可能性があります。

これはアベノミクスで好調になりつつある日本経済にも冷や水をかけることになります。

ポイントは、このテロ事件が単発で終わるか、次のテロ事件が続くか、です。第二弾、第三弾があれば、世界経済に深刻な影響があると考えられます。

いずれにしても今回の事件が、誰によってどのような目的で行われたのかの解明が急がれます。