破たんへと進む北朝鮮~民主化へのソフトランディングの誘導を!

北朝鮮の軍事化が問題となっています。北朝鮮では軍事費に人的資源とお金を使い、他の産業や農業などが衰退しています。ちょっとした自然災害で一気に飢饉が起こるという状態が続いています。この状態からさすがに北朝鮮の国民も立ち上がるだろうといわれてきましたが、北朝鮮の閉鎖的な情報管理システムや独裁的な社会管理システムによって、長期にわたって「安定」しています。貧困がベースとなると、外国の「制裁」もあまり意味をなさない、という状況になっているといわれてきました。

私は、核軍事化へと高度軍事化路線をとってくるようになり、大きな変化が生じていると思っています。核兵器を含む高度な軍事化路線は、巨額の「ハードカレンシー」を必要とします。貧しくては、維持できないシステムなのです。以前の軍事化には、中国、あるいはロシアが支援するということが可能でした。特に最近までは中国が支援をしてきました。軍事化をすすめて、韓国やアメリカに立ち向かうことで、中国からの軍事化、そして民生事業の支援を得られるという構図がありました。しかし、核兵器を含む高度な軍事化となると、簡単には中国に支援は得ることができません。北朝鮮がなかなか手に入れることができない「ハードカレンシー」で強化するしかないのです。

北朝鮮の「ハードカレンシー」の入手方法は限定されています。国際的に通用する産業はほとんどないので、製品を海外に販売して入手するということは一部でしかできません。北朝鮮産の松茸にしろ、海産物にしろ、大きな額にはなりません。最近は公的な貿易ルートもかなり失っていますから、非常に厳しい状況といます。

となると、麻薬と偽札が主な財源となりますが、これもかなりマークされていることは確かです。日本のパチンコ産業からの仕送りについてもしばしば言及されてきました。ただパチンコ業界も以前ほどの利潤は得られていませんから、少なくとも増えていることはないでしょう。

このように考えると、北朝鮮の核軍事化によって、北朝鮮は財政破たんへの道を歩んでいることがわかります。これまでの軍事化路線とはかなり性格が異なる状況が生まれています。このまま進むとどうなるか。おそらく北朝鮮は行き場を失いますからさらに過激な挑発が続き、さらには、実際になんらかの戦闘行為が起こる可能性は否定できません。これまでもあったようにそれで、バーターとして海外からの援助が得られるか、ですが、かなり厳しい交渉となるでしょう。また核軍事化路線によってバーターとして得たい額も巨額になっていますから、穴埋めも容易ではありません。つまりこのままでは破たんへの道を突っ走るということになります。

これは周辺のすべての国にとって望ましい展開ではありません。北朝鮮にとっても破滅への道でしかありません。もし仮に、限定的にでも戦闘行為を行ったら、軍事力のおいて大きく劣る北朝鮮は一気に厳しい状況へと追いやられます。アメリカの軍事介入の絶好の口実を与えることになります。

北朝鮮が身動きができない状況となるのは時間の問題。その時に、周辺諸国は、ソフトランディングへ誘導する道を用意することが必要です。北朝鮮の状況は八方塞となります。その時に逃げ道、そして多くの国にとっても納得がいく逃げ道を用意することが求められるのです。北朝鮮が核軍事化路線をとった今、この状況をこれから10年も20年も続けることはできません。これまでの状況とは異なっています。ソフトランディングのシナリオをどこが作るのか、どこが実践するのか。日本の外交交渉力も問われています。