天然ガス発電のオプション~シェールガス革命がガス発電の可能性を大きく広げている

深刻な原発事故から2年が経とうとしています。また原発再稼働の論議が再燃しています。あまりに深刻な事故であり、また事故の時の東電と政府の対応への不信から、原発反対の声は依然高いままです。しかし一方で、いわゆる自然エネルギーといわれる太陽光発電、風力発電、バイオマス発電などは、本格的な戦力となるにはまだ時間がかかり、またコストの高さから経済界などは敬遠しています。実際に、太陽光発電からの電力買取は非常に高く設定されており、これが本格化するなら、日本の電力料金は大きく跳ね上がることが予想されます。不況に苦しむ日本経済にさらなる足かせとなるのではないかという懸念は消し去れません。私もこうした再生可能エネルギーに期待し、推進の活動もしてきましたが、課題が大きいことも認識しています。思っているよりも難しい。太陽光発電はコストに難点がありますし、風力発電も日本では台風などの自然現象に対応しなければならず、課題は少なくありません。言われるほど簡単ではないのです。

こうしたことから「再度、原発に」という声もあがり始めています。ただ、今さら原発に戻るのは、自然エネルギーの開発以上に難しいでしょう。強烈に反対する人も増えました。安全確保のための予算は膨らむ一方ですから、経済性も決していいとは言えなくなりました。現実問題として、原発が日本のエネルギーの実質的な担い手となるシナリオはもはや過去のものと言えます。5年とか10年とかといった短い期間に、極めて限定的に原発の再稼働によるエネルギー供給ができるかどうか、というマイナーな問題となっていると思います。

もっと、現実的にダイナミックなエネルギー政策を考える必要があります。脱原発というと、すぐに太陽光発電や風力発電といった自然エネルギーの話になります。しかし、私は当分の間、天然ガスによる発電が主力になると考えていますし、なるべきだと思っています。コストの面からも、安定供給の面からも、CO2削減の面からも、極めて有望で有力なエネルギー源です。原発推進の側からすれば、天然ガスの優位性は、原発再稼働のネックになりますから、できるだけ避けることになります。反原発、脱原発の環境派は、天然ガス発電は、CO2を減らすものの0にするわけではないので、あまり積極的に推進しようとしません。その狭間で、天然ガス発電はあまり注目されていないだけです。

折しも、アメリカではシェールガス革命が起こりつつあります。様々な面からの優位性があり、将来のエネルギーのエースとして登場する可能性があります。確かに地下水汚染などの問題点はあります。逆に言えばこれを克服できれば、非常に有望な新たなエネルギー源となります。2010年代の後半には日本にもアメリカのシェールガスは入ってきて、低コストの安定供給が可能になるといわれます。シェールガスが入ってこなくても、天然ガスの国際価格に影響はありそうです。天然ガスやシェールガスによる発電は、日本にとっても非常に重要なエネルギー源となりそうです。

現実的に考えるなら、まずは、脱原発の主力として、天然ガスやシェールガスなどガスによる発電にプライオリティを置くのがいいと考えられます。将来的には日本近海にもメタンハイドレートがあり、それらをエネルギーとして活用する可能性もあります。さらに天然ガスの技術を磨き、世界に先駆ける技術をつくることが現実的な選択肢としてあります。

原発か、自然エネルギーか、といった二者択一ではなく、天然ガス発電や石炭発電などにも目を向けることがこれからの日本の発展を考えるうえで重要と考えています。石炭にしても、環境技術の進歩によって環境への負荷を大きく減らすことが可能です。そうした分野での最先端の技術を日本は開発し、当面の20年のエネルギーの安定的で安価な確保を行うことが大切でしょう。核のイデオロギーを超える新たな展開をすることが日本の未来を拓きます。