田中真紀子文科相が朝鮮学校の高校授業料無償化の実現に意欲?!慎重な議論が必要

田中文部科学相が朝鮮学校の高校授業料無償化の実現に意欲を見せているとの報道がされています。インタビューなどでも「反対の意見が出るのを覚悟で考える」と言っており、この方向で考えていることは確かなようです。

 確かに、教育の権利はすべての人に保障されるべきですし、その意味で、できる限り、教育機関は無償に近い状態にするのが望ましいとは思います。しかし、朝鮮学校は民族教育も行う学校です。授業料無償化をここまで広げるべきかどうかは、慎重にならざるを得ません。

 海外での日本人学校がありますが、これは基本的に生徒の授業料で賄われていて、その国の政府が無償化しているわけではありません。こうした場合の教育費は授業料として払うのが普通です。むしろ、日本で高校授業料無償化が行われているのに、海外の日本人学校が援助を受けれないことのほうが問題であるようにも思えます。

 こうした民族教育を行う学校への支援は、やはり国際的なルールで考えることが必要でしょう。海外での日本人学校だけでなく、多くのこうした母国での教育を行う学校は高い授業料を払っているのが普通です。それが嫌なら現地の公立学校に入る選択肢もあります。一部の国で外国人学校にも支援金が支払われていることもありますが、例外的なものといえます。ほとんどの国でこうしたものはなく、日本が朝鮮学校の高校授業料無償化の実現を行うなら、「先鋭的な政策」です。しかし、教育予算が削られていくなかで、こうした特化した部分で「世界の最先端」を行くというのもなかなか理解しがたいものがあります。

 日本でもアメリカンスクールやインターナショナルスクールなどもありますが、かなり高額の授業料が必要です。在日の生徒の教育機会は日本の公立学校などで保障されています。その状態で、なお特別な教育を受けるという選択をするのですから、やはり、授業料を支払うことが必要に思えます。

 私は、これはむしろ朝鮮学校の独自性を守るためにも重要なことと考えています。朝鮮学校の高校授業料無償化の実現するなら、必ず、日本の教育カリキュラムの踏襲が義務化されることと思っています。これまでのような教育ではなく、相当にチェックの入る日本の教育になるはずです。

 教育の機会の話ではなく、特別な教育を学ぶという選択肢なのですから、それに対して授業料を支払うのは民族差別のようにも思えません。ほとんどの国で当然のようになされていることです。田中文部科学相がこれからどうするのか、よくわかりませんが、これを進めるとなると田中文部科学相と民主党への風当たりはさらに強まることになりそうです。解散総選挙が近いことは間違いないでしょう。田中文部科学相の大臣としての就任期間はおそらく3~4か月ということでしょう。これくらい慎重に議論すべき課題を3~4か月の任期の大臣が急にやろうというのも問題です。